
オーストラリアのABCニュースが、警察犬を保護する法律案についての生放送中、誤って「サタン万歳」という言葉を含む悪魔崇拝の儀式の奇妙な映像を放映してしまうという驚きの事態が発生した。
当時、ABCのニュースルームからの映像では、司会者がオーストラリアで警察犬に危害を加えた犯罪者に刑務所を含む厳しい罰則を与えるという内容を含む新法に関する中継がなされていた。この法律改正は昨年、ブリスベンで警察犬が犯人に刺される事件があり、それをきっかけに議論がなされたことによるものだった。
だが中継中、急に映像はスタジオや現場のものではない、「スーツを着た男性が音声なしで話している」映像に切り替わった。映像の中では黒いローブを着た男が祭壇の後ろに立っており、背後には悪魔のシンボルである五芒星と逆さ十字も映っていた。
さらに男性は「Hail Satan(サタン万歳) 」と言いながら、腕を上げた。
ここでようやく映像はニュースルームに戻り、司会者は不機嫌な顔をしつつも何事もなかったかのように番組を進行させていった。
It appears the footage came from this Noosa Temple of Satan livestream (8.00 mark):https://t.co/f9wRNlz4YW
They've been in the media recently:https://t.co/LrH7HeKrlb
— Media Watch (@ABCmediawatch) August 20, 2021
この映像は、8月20日金曜日に@ABCmediawatchがTwitterで公開して以来、20万回以上再生され、視聴者からは多くのコメントが寄せられている。
例えば「カメラが一瞬、休憩室に切り替わったのか?」というコメントや、「誰かがキャビネットの映像をリークしているんだろう」と面白がるコメントが大半だったが、中には気分を害した人もいるようで、「あのようなビデオクリップのつなぎ合わせが偶然だったとは、文字通り信じられないし、そもそも番組側がなぜあのようなビデオを持っているのかも分からない」というコメントも寄せられていた。
この悪魔崇拝の儀式の様子を収めたと言われる映像は、クイーンズランド州の学校にて悪魔崇拝を教えることを求めてオーストラリアの最高裁判所に提訴している団体「The Noosa Temple of Satan」と関係があるのではないかと考えられている。
ほとんどが無神論者で構成されるこのグループは、宗教上の理由で誰かを差別することを合法化する法律案に反対してきた。そのため、団体の事を報じる際に局側が持っていた資料が間違って流れてしまったのではないかと考えられている。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©ParallelVision PIXABAY