
アトラスでも度々紹介しているが、アフリカ等では現代でも魔術や呪術の存在が信じられている。そのためか、魔法や魔術が立派なビジネスにもなったりしている。
先日、ナミビア当局が国内の魔術師たちが「魔法の人形」を犯罪者に売りつけて「この人形があれば逮捕されない」と触れ込み、一種の詐欺を働いていると発表した。
地元メディアの報道によれば、警察が逮捕・補導した不良や犯人の持ち物を改めてみたところ、「強力な力を持つ人形」を所持している事が増えている事に気づいた。例えばある農家から35頭もの羊を盗んだ2人組が逮捕されたのだが、彼らが「刑務所から出られる小さな人形」を持っていたことが判明した。
問題の人形を持っていた男性は、警察から質問された際に人形は魔術師から購入したもので、「これがあれば、どんな犯罪を犯しても捕まることはない」と説明したという。ちなみに人形はこの地域に伝わる、人間に悪戯を行ったり魔術師の使い魔になるという「トコロシェ」という小鬼の名前で呼ばれていたようだ。
The Erongo police claim they are noticing more cases in which criminals are turning to ‘witchcraft dolls’ to avoid getting caught. One of the suspects was found in possession of a small doll and beads he claimed to have been given by a well-known ‘witch doctor’ near Omatjete. pic.twitter.com/efe2QOHJ5U
— The Namibian (@TheNamibian) August 10, 2021
警察官のIleni Shapumba氏は「ここ最近ではこのようなケースが増えています。彼らはこの人形を非常に大切にしており、例えば壊すと脅されると泣き出してしまうのです」と語った。そして、「これらの人形は彼らに捕まらないという自信を与えているようですが、これは大きな間違いです。犯罪を犯せばお守りの人形を持っていようがいまいが、どうせ警察に捕まるのですから」と呼びかけていた。
警察は今後も事件の取り締まりを強化していくと同時に、人形を用いた詐欺行為を行っている人物についても捜査を進めていく予定とのことだ。
(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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