
体外離脱や臨死体験をしたという人に何を見たか聞くと、前に亡くなった知人や光のトンネル、花畑、三途の川などを見たという証言が多い。
これらは本人の死生観が関係しているのではないかと考えられている。だが、中には恐ろしい体験をしてしまった人もいるようだ。
1998年、ビル・ウィーゼさんは午前3時頃に飲み物を取りに起きた時に、彼が言うところの「体外離脱」を経験した。それはまるで暗く長いトンネルを通っていくようで、進むうちにどんどん周囲の温度が上がっていく感覚を覚えたという。
やがて彼の体は地面に降り立ったが、そこは石の床だった。周囲には石の壁や鉄格子があり、不潔で、臭くて、煙だらけの地下牢のような所にいることが解ったという。
「なぜ自分はここにいるのか、どうやってここに来たのか解りませんでした。暑さに耐えられず、どうして自分は生きていられるのだろうと思いました」
と彼は語っている。
ふと気がつくと、彼は牢屋の中に2体の大きな悪魔のようなものがいるのに気づいた。
「彼らは神に対して持っていた憎しみを私に向けたのです。一人の悪魔が私を抱き上げて、この牢屋の壁に投げつけました。骨が折れたように感じましたが、私は霊体なので骨も何もありません。もう一匹の悪魔は私の胸に爪を立ててきました。私はなぜこの中で生きているのだろうと思いました」
そして場面は、何千人もの「骸骨」で埋め尽くされた炎の穴に移った。地獄は腐敗した嫌な臭いで満ちており、非常に恐ろしい場所だったという。
しかし、彼はいつの間にか自分の体に戻っていた。
どうして地獄に行ったのか、そして戻ってこれたのかは解らないという。彼が地獄に行っていたのは約23分間、彼が本当に魂だけで地獄旅行してしまったのか、感覚はリアルなものだったとしても単に夢を見ていただけなのかはいまだに不明となっている。
後に彼は自分の体験談を出版、何百万部もの売り上げを記録するベストセラーとなったそうだ。
23 Minutes in Hell With Guest Speaker Bill Wiese
(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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