
地球の誕生は今から約46億年前とされているが、数十億年前の「産まれたばかりの地球」の環境がどのようなものだったのか、正確に把握することは容易ではない。
しかし今回、27億年前のダイヤモンドに含まれていた揮発性ガスを分析することで、当時地球の大気中に含まれていたガスの割合を導き出すことに成功。
その結果、27億年前の地球もガスの割合が現在の地球とほぼ同じであったことが明らかになったのである。
研究チームの代表者であるフランス・ロレイン大学のマイケル・ブロードリー博士は「大気中の揮発性物質の割合と構成は、マントルで見られるものを反映しており、27億年前にこれらのダイヤモンドが形成されて以来、大きな変化があったという証拠はありません」と述べる。
「地球の現代マントルの組成を調べるのは比較的簡単です。マントル層は平均して地表から約30km下から始まっているので、火山から投げ出されたサンプルを集めて、中に閉じ込められている流体やガスを調べることができます。しかし、プレートテクトニクスによって地殻が絶えず変動しているため、古い時代にできたものはほとんど壊れてしまっています。しかし鉱物の中でも硬いダイヤモンドは比較的破壊されないため、当時の大気の組成を知る事が出来る理想的なタイムカプセルとなるのです」
数十億年前の地球の状況を正確に把握することは、地球上の生命の発展を理解する上で重要な要素となるのは間違いないだろう。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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