《奇跡》記憶喪失の人の記憶を呼び起こした歌

2000年代初頭のある日、19歳のトーマス・リーズさんがロンドン中心部の道路を横断していたところ、突然タクシーが突っ込んできて彼は頭から地面に投げ出された。

事故現場の写真では車体が大きく破損していた。しかしトーマスさん自身は頭に軽傷を負っただけで済んだ・・・かに思われた。その後、彼は頭痛と吐き気を覚え、病院に戻って検査を受けたところ、血栓ができている事が判明。放置すれば24時間以内に死亡すると診断され、緊急手術となった。

そして、手術を受けたトーマスさんが目を覚ましたときだった。起きた彼はこれまでのことを何もかも忘れてしまったのである。




家族が見舞いに来ても、誰が誰だか思い出せず、長年住んだ家も解らなくなっていたほどである。

完全な記憶喪失状態に絶望しかけたトーマスさんとその家族だったが、トーマスさんの耳にある「音楽」が届いた。それは1980年代のウォーターボーイズのヒット曲「The Whole of the Moon」だった。

The Waterboys – The Whole of the Moon (Official Music Video)

そのとき彼の頭の中で何かが動き出し、失われてしまったはずの記憶が次から次へとフラッシュバックのようによみがえってきたという。

神経科医のコリン・シーフ博士は「小さな記憶を蘇らせる化学物質が連鎖的に反応して、彼は記憶を取り戻すことに成功したのではないでしょうか」と語っている。

現在、トーマスさんはまだ幾つかの記憶障害で苦労しているが、白紙状態であったときよりはずっといい状態だと言う。「あれから18年経ちました。全てを思い出せてはいませんが、私は私の物語の始まりである以前の記憶を断片的に知っているだけでも、未来に立ち向かうことができるのです」と彼は語っている。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像&動画©toubibe PIXABAY

 

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