
江戸時代の絵師・鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』には「人面樹」という奇妙な樹木の記述が存在する。
赤ん坊のようにも見える顔が木に鈴なりになっているというもので、この顔は「花」だという。人の顔に似ているがしゃべる事は無く、ただしきりに笑い声を上げる。そして、あまりに笑いすぎると花は落ちてしまうという。
鳥山石燕は江戸時代の百科事典である『和漢三才図会』の記述を元にこの妖木を描いたようで、『和漢三才図会』によればこの人面樹は西南千里にある大食国(だいしこく、中東のイスラム国家か)に存在すると考えられていた。笑い声を上げるのみで害はないそうだが、いずれにせよ不気味な植物ではある。
そんな「人面樹」を彷彿とさせる果実がアフリカのケニアで発見されて話題になっている。
問題の果実がこちらである。動画には、まだ熟していない緑色の木の実が一つ、枝からぶら下がっている様子が捉えられている。しかし、その実をよく見ると目を伏せ、口をすぼめた人間の顔がついているのだ。
Mango fruit with human face..
この果実は先週、ケニアのキトゥイ郡にある小さな村で発見された。実際にはマンゴーの木の実なのだが、ここまではっきりと人間の顔に見える凹凸が出来てしまったため、「魔術によって不気味な顔が浮かび上がったのではないか、何者かが夜中にイタズラで顔を彫ったのではないか等といわれているようだ。
だが、専門家や農家によれば「人の顔そっくりではあるが、自然に出来たもの」とのこと。勿論食べても何の問題もないそうだ。
この「人面マンゴー」はケニアを中心にネットで話題になったためか、何百人もの人がマンゴーを一目見ようと現場を訪れている。果物である以上、いずれは熟してしまう運命にあるのだが、このマンゴーが将来どうなるのかはまだ解っていないという。
誰かが代表して購入するのか、皆で分けて食べるのか、はたまた熟してもそのままにされてしまうのか。今後が気になる所だ。
(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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