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ATLAS読者は動物の「笑い」は見たことあるだろうか?

ペットを飼われている読者はペットの笑っているような表情は見たことがあるだろう。それが、人間の「笑い」と同じものなのか、ペットがその時どんな感情なのか、知りたいと思われたことがあるのではないか。

多くの動物は仲間とじゃれたりすて遊んでいる最中に、愉快な特有の声を発しているが、従来から、動物学者の間でそれが動物の「笑い」(プレイ・フェイス)だと考察されていた。

そして、最新の研究によると、動物たちにも「笑い」が存在し、65種の哺乳類や一部の鳥類の動物が遊びながら「笑う」ことが判明したという。

しかし、爬虫類、両生類、魚類については「笑い」が確認された研究結果は現状存在しない。

4月16日付の『Bioacoustics』誌に掲載されたロサンゼルスのカリフォルニア大学の、自然人類学博士号候補者のサーシャ・ウィンクラー氏の論文によると、動物達は仲間と遊んでいる時に、攻撃的になるのを防止する為に「笑う」のだという。

so happy smiling cat
so happy smiling cat / [puamelia]

 Full article: Play vocalisations and human laughter: a comparative review
 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/09524622.2021.1905065

 From apes to birds, there are 65 animal species that “laugh” | Ars Technica
 https://arstechnica.com/science/2021/05/from-apes-to-birds-there-are-65-animal-species-that-laugh/

 Do animals laugh? | Live Science
 https://www.livescience.com/do-animals-laugh.html

例えば「首に噛みつく」という行為は戦闘時にもじゃれつきの中にも見られるが、笑い声を上げながら首に噛みつくことで「これは単なる遊びで、本気で噛もうとしているわけではない」というサインを送っていると、ウィンクラー氏は解説している。

また、ウィンクラー氏と動物の「笑い」について共同研究しているグレッグ・ブライアント氏によると「動物の笑いの種類は人間より幅広い可能性がある」という。




チンパンジー、ゴリラ、サル、ヒヒなど霊長類の多くは、喘ぐようなくすくす笑いや、唇を打ち鳴らしブツブツいうような声、震え声や金切り声など、様々な「笑い」声を発する。

他の哺乳類だと、ドブネズミの超音波風震え声、バンドウイルカの口笛のような声やギャーギャーいう鳴き声、リスザルのチーチーいう声などだ。

また鳥類はカササギフエガラスやミヤマオウムなどの一部の種が、やはり仲間と遊んでいるときに「笑う」。

「笑い」の声は「遊ぼう」という合図にもなる。研究によると、ニュージーランドに生息しているミヤマオウムの笑い声を録音してスピーカーで流すと、他ののミヤマオウムが自発的に鳴き始めたという。

smiling goat
smiling goat / Muffet

我々人間含めた霊長類の「笑い」の起源も、仲間との「遊び」の中から生まれたという説が有力されていた。

しかし、オランダの動物行動学者ヤン・ファンホーフ氏によると、人間含めた霊長類の「笑い」には大きく分けて二種類がある。

 laugh:発声を伴う笑い
 smile:発声を伴わずに歯を見せて微笑む笑い

そして、二種の笑いの起源は異なる。

laughの起源は霊長類が仲間同士で遊ぶ際に口を丸く開ける和みの表情(プレイ・フェイス)と、その時に発する声が進化したものだという。

しかし、smileの起源はgrimace(しかめっ面)という歯茎を出して威嚇を表す歪んだ表情にあるという。grimaceは、霊長類が突如草むらなどで物音がすると、「自分より強い敵ではないか」と警戒と恐怖を感じ、牙を見せて笑っているようにも見える威嚇の表情であった。




そして、草むらから出てきたのが群のボスだったり場合、「あなたに敵意はありません。仲良くしましょう」という意味で、grimaceはより柔らかな表情に進化し、恭順の意を示すボディランゲージにもなったのだ。

これこそが、現在の人間の「笑い」の起源だという。

ニホンザルは群の中で自分より偉い者が近づくと、顔はそむけたまま、キャッと叫ぶように歯茎を出して恐れの表情をする。これは悲鳴をあげる前の表情に類似しているが、悲鳴の表情を見せることで、「あなたに敵意はありません。従います」と、恭順の意を示している。

インド出身のカリフォルニア大学の心理学者・神経科学者、V・S・ラマチャンドラン氏も、「笑い」の表情は「威嚇」の表情を緩めた形に一致している、という研究結果を発表している。

つまり、我々にとっての「威嚇」「恐怖」をもたらす者がいないことが判明した後の、安堵に満ちた和みの表情である。

Smile :)
Smile 🙂 / irda.lloticas

CMや広告のモデル写真は大概歯を出して笑っている動画・写真が使用されるが、これは商品に親しみを持たせて買わせようという企業戦略であるという。

「笑い」が親近感を高めるということは、古来から我々のDNAに埋め込まれているのだろう。その為、「笑顔は人間関係の潤滑油」なのである。

そして、「笑い」は心身の健康に良い。笑うと「NK(ナチュラルキラー)細胞」が活性化され免疫力が高まる。精神的にも、副交感神経が優位になり、ストレスホルモンの分泌が減少する。更に、笑うと腹式呼吸になり、細胞が活発化して働きが上昇する。

出掛ける時に、マスクが必須になり、互いの笑顔を見る機会が減ってしまったご時世だが、まさに「笑う角には福きたる」のだ。

文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動

著書
あなたも霊視ができる本 」文芸社
世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版

 

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