
先日、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームに、スペースデブリ(宇宙ゴミ)による衝突痕が発見された。
この穴というのは、ミッションマネージャーによる定期点検中、カナダ宇宙庁(CSA)が運用するロボットアームに見つかったもので、幸いにも国際宇宙ステーションに搭乗している7人の宇宙飛行士を危険にさらすものではないとの事が判明している。
しかし、穴を開けた物体が何であったのか、いつ衝突したのかはまだ不明とのことである。
国際宇宙ステーションや今後のミッションに影響が出ない事が判明したのは幸いだが、今回の衝突痕の発見は地球の軌道上に大量に存在し、これからも増え続けていくのは間違いない。
スペースデブリのもたらす脅威を再確認させる事になった、と専門家は語る。バッファロー大学のジョン・クラシディス氏は、英国のガーディアン紙に対し、
「宇宙空間を時速17500mを超える速度で飛び交うスペースデブリは数多く存在しています。今回の衝突は断熱材を貫通しただけで、腕の一部に当たったかどうかさえ分かっていませんが、明らかに大きなダメージを与える可能性があります。私たちが最も心配しているのは、宇宙飛行士への影響です。彼らは非常に過酷な環境に置かれており、いつかは『もしも』ではなく『いつ起きるか』という問題になるでしょう」
と語っている。
現在、地球の軌道上に存在する人工衛星や宇宙船は、使われなくなったロケットやネジ、ボルトなどの物体に囲まれながら、毎日のように衝突の試練を乗り越えているという。
現在、地球の軌道上には3500個以上の衛星と90万個以上の10cm以下の小さなスペースデブリが旋回していると推定されている。時間が経てば経つほどスペースデブリの数は増え、衝突のリスクから宇宙へ送り出すことができなくなるところまで到達するとみられている。
環境問題は地球上だけではない、宇宙空間でも既に起きているのだ。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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