
現在火星探査のミッションを行っているNASAが、今度は土星の衛星タイタンからサンプルを採取し、地球に持ち帰るミッションを検討しているという。
NASAはすでにタイタンに1台の探査機を送る計画を立てている。8つのローターを備えた特別設計のドローン「ドラゴンフライ」で、タイタンの表面に着陸するだけでなく、16日に1度所定の場所に移動して調査を行う事ができる。現在検討中の2回目のミッションは、タイタンに着陸してサンプルを採取し、地球で更に研究を行うことを目的としている。
タイタンには海や川、雪山、活発な気象システムなど、地球と似たような特徴を備えている。しかし、タイタンの川や海は液体の水ではなく液体炭化水素で満たされており、雪を頂いた山は水の氷ではなくメタンで覆われている。
STARTING SOON: What do you want to know about NASA's upcoming Dragonfly mission to fly on Saturn's moon Titan?
We'll be live at 8 pm ET talking about the mission with @JHUAPL scientist Zibi Turtle. Tune in: https://t.co/SMbFxOCYiz
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— National Air and Space Museum (@airandspace) May 26, 2021
その衛星タイタンからのサンプルを採取したのちのリターンの方法として、衛星に十分に存在するメタンを利用して宇宙船を帰還させるのに必要な燃料を生産するという手段も考えられている。このアイデアはNASAの革新的先進コンセプト(NIAC)プログラムによる12万5000ドル(約1360万円)の助成金を得て、現在鋭意研究中である。
NASAのスティーブン・オレソン氏は、「タイタンまでの距離は月や火星よりも長いにもかかわらず、宇宙資源利用においては、これまで火星や月で提案されてきた複雑な化学還元プロセスよりも簡単にでき、しかも非常に高いパフォーマンスを発揮できると主張しています。いくつかの技術開発は必要ですが、このようなミッションは今後10年間で簡単に達成できると考えています」と述べている。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)