【奇談体験】ようこそ!藁人形の村へ

 O県の山の奥に、お寺を中心にした一つの閑静な集落がある。このお寺のすぐ隣に鎮座する立派なお宮では、昔から呪いの『丑の刻参り』が行われ、令和の現在も呪術をおこないにひっそりと人が訪れる。

 丑の刻参りとは、場所は神社などの御神木に、丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)の時に藁で作られた人形などを釘で打ち付ける呪術だ。

 この村に嫁いできて、50年以上住む人にお話を聞くことができた。

「近所の人たちが、お宮の周りを清掃していたとき本殿の裏には何本か御神木が生えてある。そこの一本の御神木に、何か紙みたいなものが貼ってあるのを一人の男性が見つけた」
「嫌な予感がしたのでみんなで見に行くと、紙の様な物が貼ってあるものは40代くらいの女性の写真で、その人の胸には大きな釘が刺さっていた」

 などと話してくれた。他にも、ご神木に女性モノの服が釘で刺さっているのも見たことがあるという。




 このお宮は、鎌倉時代に住職が啓示を受け、28匹の白狐とともに弁財天を祀ったそうだ。「人をとる」という事が昔から言われ、丑の刻参りをして、その思いが受理されると本殿の裏の小さい祠から白狐様が飛び出し相手を取り殺しに行くそうである。

 その時にお宮の周りが土でできた塀に囲まれているので塀に穴をあけておく人もいたそうだ。だから、今も塀がコンクリート製になっても狐様が通れるように穴が開いている。

 昔は怖がって「この村の女子は嫁にもらうな」とか「この村の娘と離縁するな」とか言われたらしい。女性を守る神様が守っているので、神様を怒らせると懲らしめに来るからだそうだ。このことからも、この地域を守る神として、根付いていることが伺える。

 このお宮を管理するお寺の住職に取材をした。住職は、ここで生まれ、一度都会に出たらしい。そして、お寺を継ぐために20年前にこの村に戻って来たという。




「生まれたのはこの村で、子供のころから藁人形の話は聞いていました」
「最近も白い紙に名前と住所など書かれた紙と写真が貼られたものに釘が刺さっているのを見つけました」
「他にも、しっかり作りこまれた藁人形、コルクのコースターに人型を書いてくぎを打つ、クロックスが打ち付けてあったのはビックリしました」
「藁人形は、写真も貼ってあり、見たらすごい思いを感じました」
「藁人形を打つ人は、わかったものでは近辺に住む人から遠くても県内で、あんまり知られてない場所です」

 などという事を住職は語っていた。

 近年の藁人形の呪術は、お伺いすると時間・服装・打ち付ける物体事態も多様化しているのではないかと予想されている。ただし、釘で打ちつける事は共通していることである。

 人間の心の中に、呪いたい相手に見立てたものに刺すという行為で晴らそうとするものがあるのかもしれない。筆者は人を恨む思いが釘を打ち付けて解消されるのであれば、それもまた良いかもしれないと思う取材だった。

(おかゆう 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Skitterphoto PIXABAY

 

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