甲殻類は「痛み」を感じていた!エビには「感情」も!?

画像©RitaE PIXABAY

 魚や甲殻類は「痛み」を感じるのか?

 従来より議論が分かれるが、魚は釣り針を刺されて自身の肉が避けても逃げようとすることから、「神経も痛みもない」と考えられてきた。ところが、最新の研究によると、魚についてはまだ研究段階だが、甲殻類に関しては痛覚を持つ可能性が高いことが判明した。

 甲殻類に痛覚があるとすれば、生きたまま、意識のあるイセエビをいきなり頭と腹部で真っ二つにしたり、カニを、生きたまま沸騰した熱湯の中に放り込んだり、動いている状態で皿に盛るという和食は残酷なものになる。

Crustacean
Crustacean / Tracy Keller

【甲殻類には「痛覚」がある!エビには「感情」も!?】

 痛覚がある動物の場合、次のような流れで痛みを感じる。

1.けがや病気により細胞が破壊される。
2.セロトニンなどの発痛物質が生成される。
3.発痛物質が痛覚の神経(自律神経終末)に届き、電気信号に変換される。
4.電気信号が脳に届き脳が痛みの詳細を理解し、「痛い」という感覚が芽生える。

「甲殻類に神経や痛覚があるか」という研究は2009年頃から盛んになったが、最新の研究で驚くべきデータが判明した。

 2013年にExperimental Biologyのジャーナルに掲載されたクイーンズ大学のベルファスト教授のボブ・エルウッド教授の研究論文でも「カニには痛覚がある可能性が高い」という。

Striped Shore Crab
Striped Shore Crab / Black_Claw

 エルウッド氏のヤドカリに関する研究で、ヤドカリが殻にいるときに電撃を与えらるとすぐに「痛そうな」反応を示して殻から出てきた。また、殻を捨てない程度の電流を流し、別の殻を与えると、新しい殻に移るヤドカリが多は長く気に入った殻の中にとどまろうとしたという。

 同じ電撃を与える実験をカニにしたところ、カニは以前に感電したことがある場所を覚えてそこに行くの避けた。また、ザリガニに同じ電流を流す実験を行ったところ、ザリガニは光の信号とショックを関連を学習し、ショックを回避する方法を学んだという。




 これらの実験結果からしても甲殻類は痛覚を持つ可能性が高い。エルウッド氏は、甲殻類は食料として非常に残酷な扱われ方をしていて改善していくべきだ、と訴えている。

「カニははさみをもぎ取られ、生きたまま海へ戻される。ロブスターやエビは、肉となる腹部を残して体の前半分をもぎ取られる。脳や胸部の神経系統は、1時間後でもまだ機能しているのに。こうした動物の扱い方について、さらに良く考えていく必要がある。非常に大きな問題が見過ごされている可能性がある」

Marine shrimp
Marine shrimp / R/DV/RS

 同じくクイーンズ大学のロバード・エルウッド氏のエビに関する研究で、144匹のエビに触覚に酸性の刺激物を塗り反応をみた。エビは、尾部を打つ反射反応のほかに、5分間にわたってなんども触覚をつくろう仕草をみせ、水槽の壁に触覚をこすりつけたという。つまり、エビは長く続く痛みを体感している可能性が高いという。

 また、オクスフォード大学のベーカー博士の最新の研究によると、生きたまま茹でられるカニやロブスターはのたうち、四肢を抜け出そうと動かすなどのストレスと言われる行動をとる為に以下のように語る。

「甲殻類の感覚器官は高度に発達しており、神経系は複雑である」

 甲殻類を生きたままで沸騰したお湯に入れると、手足を落とすことが知られているが、これも痛覚がある為に体の残りの部分へ有害な刺激の広がりを止めるために、動物が行う「自切行動」ではないかという。

 更になんと「エビには感情があるのではないか」という説もある。ドイツの医師エルヴィン・リークは「ある医師の見解」の中で次のように述べている。

「ある水族館で、一匹の大きなエビが仰向けにひっくり返って、その重い甲羅のために姿勢を直すことができなくなる。仲間が救助に駆けつけ、いろいろとやってみて、うまく立たせることができるようにする」

 つまり、エビは神経や痛覚どころか、仲間を想う感情を持つ可能性があるのだ。

甘エビ  #dinner #sushi
甘エビ #dinner #sushi / is_kyoto_jp

【甲殻類にもアニマルウェルフェアの適用を!】

 現在、日本では、動物愛護管理法の中に甲殻類に関するアニマルウェルフェアが定められていない。甲殻類も「活け造り」は和食の「文化」として美化されているし、エビ養殖場では繁殖用メスのエビの繁殖性が高める為に麻酔なしで片目が切断されている。

 しかし、諸外国では甲殻類にもアニマルウェルフェアを適用しようという流れが始まっている。




 欧州食品安全機関(EFSA)は十脚甲殻類(カニ、ロブスター、ザリガニ、エビなど)は痛覚がある可能性がある為、生きたまま茹でるのではなくアニマルウェルフェアにそった調理の仕方が必要だと結論つけた。

 イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、オーストラリアの複数の州では動物福祉法の中に甲殻類・魚に関するアニマルウェルフェアが定められている。動物福祉法の対象としている。

Cooked Lobster
Cooked Lobster / naotakem

 イタリアの最高裁判所は、ロブスターは殺される前にレストランの厨房で氷で保管してはならないと裁定した。また、同じくイタリアのレッジョ・エミリアでは、ロブスターを生きたまま煮沸した場合、495ユーロの罰金が科せられる条例が採択された。

 スイスでは、ロブスターがまだ生きている場合、調理のために熱湯に入れることを禁じる法律が成立した。

 イギリスで英国獣医師会は、「ロブスターを生きたまま沸騰した湯に入れた場合、殺すのに最大15分かかる可能性がある」ので、「調理する前に気絶させる」ことを義務付けるよう要求した結果、現在多くの大手レストランが甲殻類を殺す前に電気式の気絶をさせる装置を使用している。

 我が国では、残念ながら甲殻類を殺す前に電気で気絶させる、という方法を実施している料理店は殆どない。

「活け造り」を文化だという意見があるが、苦しむ動物の姿を楽しむのではなく、古来より森羅万象を尊んできた日本の魂こそが日本の素晴らしい文化ではないだろうか。

 甲殻類に「痛覚」ともしかしたら「感情」も存在するなら、我々はこの問題と向き合うべきだろう。

文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動

著書
あなたも霊視ができる本 」文芸社
世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版

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