「ヒト‐ブタ」「ヒト‐羊」のキメラが妊娠!いよいよキメラ兵器が使われる!?

   画像 Louis Kahn’s Salk Institute / dreamsjung

 新型コロナの遺伝子組み換えワクチンが「人類の遺伝子を作り変えてしまうのではないか」と、一部懸念されているが、昨今の遺伝子テクノロジーの発展は実に目覚しく、そして過激だ。

 2017年3月にはアメリカで、ブタの体内で人間の臓器をつくり出すキメラ技術が生まれた。キメラ技術とは異なった遺伝子情報を持つ細胞を混合すること、つまり異種の動物のDNAを混合する技術である。

 カリフォルニア州ラホヤにあるソーク研究所で、生物学者のフアン=カルロス・イスピスア=ベルモンテとジュン・ウーらの研究チームは、4年の歳月を費やし、さまざまな種類のヒト成人幹細胞を1,500個のブタの胚に注入し続けキメラ胚が産まれた。

Pig
Pig / Nick Saltmarsh




 ブタの心臓弁は現在も心臓移植に使用さているし、遺伝子組み換え技術が発展するまではインスリン製剤の材料にもブタが使われていた。研究チームはそれ以前にもヒトとウシの胚盤胞期(受精から数日後の、約250個の細胞からなる胚が、子宮壁に着床する前の段階)のキメラ胚の作成にも成功していた。

 臓器提供者が圧倒的に不足している現在、キメラ技術は今後、医学の発展に多大な影響を及ぼすことが期待されていて、米国立衛生研究所は(NIH)は2016年8月に2015年に発行した「ヒトキメラ胚研究への公的資金提供の一時停止」を解除した。

 キメラ技術が今後益々発展すれば、例えば、マウスに人間の細胞でできた耳を生成する実験が行われたが、技術が進化すると動物の中で移植可能な人間の臓器が生成可能になると思われる。
 
 しかし、「人間がこの世に存在しないはずの生物を創ってよいのか」「生命をオモチャにする行為ではないか」といった倫理的な批判があるうえ、そして「キメラ技術が発展すると、いずれは軍事兵器に利用されるのではないか?」という指摘もある。

「キメラ兵器」というとSFの空想世界の技術かと思われるかもしれない。しかし、実際にキメラ兵器によって最強の軍隊を養成しようと計画していた独裁者がいた。20世紀最悪の「悪魔」と言われるヨシフ・スターリンだ。

Generalissimo Stalin
Generalissimo Stalin / Nickolas Titkov

 昨今流出されたソ連邦の機密文書によって、スターリンが半人半猿の兵士の養成を計画していたことが判明した。研究に携わったのはイリヤ・イワノフ博士らで、博士はチンパンジーと人間との人工受精実験を何度も行っていた。イワノフ博士は1901年にロマノフ2世の後押しを受け、世界初の人工受精競走馬研究所を設立した人物だ。

 モスクワの新聞によれば、当時、スターリンはイワノフ博士に対して、次のように語ったという。「私が求めているのは、新しい無敵の人間である。痛みに対して不屈であり、食事をさして必要とせず、その質に不平を言わない者だ」

 社会主義革命を経て誕生した当時のソ連は、内戦の混乱を一刻も早くに終結するべく、総合経済政策「五か年計画」に耐えられる新たな赤軍を増員・強化する必要があった。そこで、1926年、モスクワ共産党政治局はモスクワの科学院に対し、20万ドルの資金を提供しキメラ兵器の研究を依頼したのである。


画像©ウィキペディアより引用

 現代の感覚でいえば、明らかな人種差別であるが、当時のソ連には、「アフリカ人は人間よりも猿に近い」という迷信があったため、イワノフ博士は西アフリカに行き、チンパンジーのメスに黒人男性の精子を受精させる人工受精実験を幾度も行った。「猿に近いアフリカ人ならチンパンジーとの交配もしやすいだろう」と考えたからだ。一方、スターリンの誕生地であるグルジアにも猿を育成する研究所が設立された。

 しかし、人工受精で妊娠させることはできても、健康な胎児を出産して無事に成長した例はなかった。そして、イワノフ博士の研究はソ連の新聞紙上で非難され、イワノフ博士に資金提供をしていたキューバ人の資産家ロサリア・アブレウ氏のもとに白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)から「研究は神への冒涜であると見なし、報復を行う」という脅迫状が送られた。こうした経緯もあって、アブレウ氏は結局、資金提供を断念したのだ。




July 4, 1920 parade
July 4, 1920 parade / kcox5342

 その後、ソ連は大粛正時代へと向かい、研究の失敗に重ねたイワノフ博士も1931年、カザフスタンへと追放されることとなり、翌年の年3月、失意の内に没したという。

 当時は失敗に終わったキメラ兵器製造計画だったが、現在の科学は当時に比べて大幅に進歩している。先日、マウスの体内に人間の「耳介軟骨」を作成することに成功したニュースが世界中で話題になった。

 また、科学技術誌「MITテクノロジーレビュー」によると、過去12か月間で出産には至らなかったものの、「ヒト‐ブタ」「ヒト‐羊」のキメラの妊娠が20件確認されているという。

 さらに、カリフォルニア州にある生物医学系の研究機関・ソーク研究所のジャン・カルロス・ベルモンテ博士が、これまでに12件以上の「ヒト‐ブタ」キメラの妊娠に成功したと発表している。

 これらの研究は医学の発展のみならず、兵器として使用されてしまう可能性もおおいにあるだろう。IPS細胞研究や遺伝子組み換え技術が発展する中、キメラ兵器が実現してしまうのは、そう遠くない未来かもしれない――。

文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動

著書
あなたも霊視ができる本 」文芸社
世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版

 

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