70メートルの絵巻、ジャングルの黄金都市…謎の失踪その後

画像©Fabián Ponce García PIXABAY

 高価な貴金属や記念品、貴重な資料が何者かの手によって盗まれてしまうことは多々あるが、中には誰が、どうして盗んだのか解らず「消えた」としか表現できないものもある。

「消えてしまった」ものの中には、一つの村がまるごと消えてしまったというものまで存在する。そんな世界中の謎に道等様々な消失事件をイギリスのデイリー・スター紙が特集。その幾つかを紹介する。


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『オリバー・クロムウェルの頭部』

 17世紀イギリスの政治家にして軍人のオリバー・クロムウェル。彼は清教徒革命を主導し、イングランド国王チャールズ1世を廃し、イングランド共和国を建国した。彼は事実上の独裁体制を敷いたが1658年にインフルエンザで死亡。イングランド共和国は革命を主導した彼を精神的支柱としていたところが大きかったため、息子に代替わりするも翌年の1659年には体制が崩壊、1660年にはチャールズ2世がイングランド王に復位し、イングランド共和国は消滅した。この王政復古の際にチャールズ2世はオリバー・クロムウェルの墓を暴き、その死体を絞首刑に処した上に斬首1680年代半ばまでウェストミンスター・ホールの外に晒されることとなった。しかし、ステュアート朝の断絶後から再評価がなされ、特に陸軍司令官としての評価はかなり高い。

 その後、クロムウェルの首は多くの人の手を経て1960年にケンブリッジのシドニー・カレッジの敷地内に埋葬された。だが、同大学は科学的な分析のため、と称して埋葬場所を明らかにしていない。そもそも彼の遺体が本当にウェストミンスターに埋葬されていたのかも確かでないため、そもそも晒されていた首自体も別人のものだった可能性も捨てきれないという。





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『バイユーのタペストリー、最後の場面』

 バイユーのタペストリーは1066年のノルマン・コンクエストの様子を描いた約70メートルに及ぶ長大な刺繍の絵巻である。11世紀のフランスとイングランドの歴史を記した重要な遺物であり、当時の武器や戦闘方法から服装、狩り等の生活・文化を知る事のできる資料となっている。中にはハレー彗星が縫い取られている箇所もあり、天文学の面でも貴重なものと言える。

 全部で58の場面から構成されており、エドワード王がウィリアム1世を後継者とするためにハロルド2世を使者として送る場面から始まっている。この後、ハロルド2世がウィリアム1世を裏切ってイングランド王に即位したことから全てが始まるのだが、現存しているのはヘイスティングスの戦いでハロルド2世が戦死する所までで、残る2場面は失われている。

 当初はフランスのノルマンディー地方の都市バイユーにあるバイユー大聖堂に保管されていたのだが、戦火による混乱の中で各地を転々としている最中に失われてしまったのではないかとされている。そのため、ハロルド2世が戦死するシーンに描かれたどの人物がハロルド2世なのかは今も解っていない。なお、失われた最後の2面にはウィリアム1世の戴冠式の様子が描かれていたのではないかと考えられている。


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『失われた都市Z』

 ジャングルの奥に、財宝輝く先住民たちの都市がある---そんな昔の冒険小説に出てくる都市を具現化したような場所が「失われた都市Z」だ。

 この場所はイギリスの探検家パーシー・フォーセット大佐がブラジルのマットグロッソ州奥地に存在すると主張していたもので、アマゾン川流域の探検と先住民の証言から、この地にはかつて高度な文明が存在しており、奥地に遺跡が残っているという仮説を立てた。

 その後、彼は1925年に息子や友人と共にジャングルの奥地を目指したが、消息を絶っている。中には「失われた都市Zは実在するが異次元にあり、彼らはジャングルの奥地で異世界へ行ってしまったのだ・・・」という都市伝説も生まれたそうだが、恐らく遭難して消息を絶つ結果になったのではないかと考えられている。

 なお、彼が「失われた都市Z」があると考えていた地域であるシングー川上流には、大規模な村の跡であるクヒクグ遺跡が存在しており、先住民はこの遺跡を目撃してフォーセット大佐に伝えていたのではないかと考えられている。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

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