人の方がよほど残虐すぎる!「人とクマの共存」AI監視システムに期待

    画像©Waldkunst PIXABAY

 昨今、クマの捕殺数が年々増加している。

 日本ではクマは、法律によって狩猟鳥獣に選定されているため「狩猟」が行なわれ、その他に「許可捕獲」が行なわれている。ヒグマの捕獲数は2000年代では平均404頭、ツキノワグマは毎年2000頭前後が捕獲されているが、年々増え2019年と2020年ではいずれも6000頭を越え過去最多となった。

 クマ出没や人身事故は連日ニュースになるが、クマの生息地の奥山が、放置人工林、ナラ枯れ、林道開設によるシカの下層植生の食害、地球温暖化による昆虫消滅などの人為的な原因により急速に劣化していることは、殆ど報道されない。

Deer
Deer / brokinhrt2

 しかも、クマと森の保護団体保護団体「熊森」よると捕獲する予定の人々に害を及ぼすクマ以外の野生動物が錯誤捕獲されてしまう例も多いという。法律上、錯誤捕獲されたクマは野生動物は放獣しなければならないのが原則だが、放獣されず殺されてしまうことが多いそうだ。

「最近は山にシカやイノシシを獲るためのくくり罠が無数にかけられている。一番多くかかるのはイノシシ。罠に掛かったイノシシは逃げようとして大暴れする。そのうち、罠のワイヤーが関節にはまって、そこを強力ばねで締め上げるから、足先が壊死する。足先のないイノシシがいっぱい誕生している。

 クマが錯誤捕獲されないよう、くくり罠12センチ規制は守っているが、真円12センチではない。横にはいくら長くてもいいとして緩和されているので、子グマはもちろん、成獣グマも結構かかってしまう。

 法律では誤捕獲された野生動物は放獣するとなっているが、くくり罠に掛かった動物には、麻酔をかけない限り危なくて近寄れない。

Brown bear
Brown bear / NH53

 クマを放獣できる人など県内に誰もいないから、誤捕獲されたらみんな黙って撃ち殺している。県内で1頭だって放獣された誤捕獲グマはいない。

 キツネやタヌキも誤捕獲される。めんどくさいから、みんな撃ち殺している。誤捕獲放獣の法律なんか誰も守っていない。日本には監視人がいないし、行政も何も注意しないから、現場は違法だらけ。これが日本の実態だ」

Fox
Fox / Jeffrey Beall

 錯誤捕獲を防ぐため、箱罠の天井部にクマ用の脱出孔を設ける、クマがわなに執着しないよう周辺にクマの痕跡があったら、いったんわなへの餌の設置を中止するように指導している猟友会もある。

 東北の住民に熊森が取材した情報によると現地住民達の中にも「クマが可愛そう」で行政の政策に疑問を感じている人もいるようだ。




「去年の秋はとてもつらかったです。たくさんのクマたちが次々と山から出てきました。よほど山に餌がなかったんだと思います。あっちでもこっちでもクマを撃つ銃声が身近に聞こえて、胸騒ぎし通しでした。おなかがすいてたまらなくなって出てきているだけなのに、行政の人は何も感じていないようで、罠を仕掛けてはクマを獲り続けていました。

何回クマを撃ち殺す鉄砲の音を聞いたかわかりません。報告しているよりずっと多くのクマを殺していると思います。行政は、クマが出たときくと、罠かけて殺すことしか考えていません。早くことを片付けて終わりたいだけです。

行政で、クマは餌がない、山に実のなる木を植えて餌場を作ってやろうというようなことを考える人は一人もいません。柿の木を伐れ、実をもいで捨てろ。行政が言うのはこれだけ。クマの絶滅を止めようと思えば、この行政を何とかしなければならないと思います」(東北の住民)

Brown bear
Brown bear / NH53

 人々が山林を開拓し餌がなくなったクマは仕方なく人里に餌を探しに行く。山林にクマの餌となる植物を植え付ければその必要もなくなるが、昨今ではメディアがクマに関するネガティブなニュースばかり報じることもあって、「クマは捕獲すべき恐ろしい動物」というイメージが植え付けられてしまった。

 やはり人間が破壊してきた山林をクマ含め絶滅が危惧される野生動物が住みやすい環境に変えていくのが理想論だろう。
新型コロナウィルスパンデミックの原因も一説には人間が生態系を破壊してきたことにあるという。

 とはいっても、現実問題として、ハイキングや釣りをしている時に空腹のクマが近ついてきたらどうすれば良いのか。

 一般人はいうまでもなく銃を持たないし、狩りの経験もない人間がパニックに陥った状況でうまくクマスプレーが使えるか。




 この問題は昨今めざましい発展を遂げていく人工知能(AI)の技術が解決してくれそうだ。

 福島民友新聞2020年8月20の記事によると会津大学の斎藤寛上級准教授らの研究チームは人工知能(AI)を活用した小型カメラとセンサーを一体型にした『クマ注意喚起システム』を開発中だ。

 従来、中山間地域では目撃者の通報から警察などの到着まで数十分以上かかり、近隣住民がクマから逃げ遅れてしまう事件があった。しかし、このAIクマ注意喚起システムは迅速にクマの映像を探知出来る。カメラは草むらなどに設置され、装置に備え付けたモーションセンサーが何らかの動く物体を検出すると、連動してカメラが自動的に対象物を撮影する。

 次に撮影した画像をAIが分析し、クマが写っていると判断した場合は装置のライトが作動。スピーカーから音を発して動物を威嚇するとともに、近隣住民に対して警告を発する。

 同時に、クマ・イノシシの出現を検知した旨をデータセンターのサーバに通知。あらかじめ登録してある近隣住民のメールアドレス宛に注意喚起のメールを一斉送信する。

 この情報をスマホでキャッチできれば、住民だけでなくハイカーや釣り人もクマとの不時の遭遇を避けることが可能になる。

Mum and Cubs
Mum and Cubs / deischi

「3年ほど前から会津若松市内の民家近くや通学路付近でツキノワグマが目撃されるようになった。イノシシが畑の作物を荒らす被害も相次いでいた。こうした話題について、AI研究を専門とする同僚の教員と話しているときに、AIを活用した画像認識とマイコン技術を組み合わせて野生動物を自動検出するシステムのアイデアを思い付いた」(齋藤氏)

 この技術が広く浸透しクマと人間とが上手く共存する為の安全システムが作られることを期待したい。そして何より、「クマは狂暴だから捕獲すべき」という安易な考えではなく、「なぜクマが人里に出没してしまうか」と。

 万物は因果応報である。「危険だから殺す」のではなく、根本的な問題に向き合うべきだろう。

文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動

著書
あなたも霊視ができる本 」文芸社
世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版

 

関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る