新型コロナの日本人「ファクターX」も性格も腸内細菌に支配される!医師と研究者インタビュー

   画像©Alicia Harper PIXABAY

 『第二の脳』と呼ばれる腸。人体の免疫システムの大半が腸に由来しているので、腸内環境が悪くなると身体全体の免疫力が低下し感染症にかかりやすくなる。

 腸内には3万種、1千兆個もの細菌が存在するが、それらが種類ごとに群れをなして腸の壁面に住んでいて、「フローラ=花畑」のように見えることから、腸内最近の群れは腸内フローラと呼ばれる。腸は「腸神経系」と呼ばれる独自の神経系を持ち、この神経系の働きによって脳からの指令がなくても自活できる。

 昨今の研究で腸内細菌が人間の心身健康状態や免疫力に大きく影響しすることが判明した。

 医療法人社団癒合会の医師・歯科医で株式会社メディカルの代表取締役も務める陰山康成氏はクリニックでそれは腸内フローラ療法を推進している。同氏は現在、13,000人もの腸内からマイクロバイオーム(微生物の生態系)のサンプルを採取して、患者それぞれの症状に最適な腸内フローラについて研究している。




 今回、筆者は陰山氏にインタビューした。

ー陰山先生のクリニックでは腸内細菌の検査を処方されていますが、腸内細菌について詳しく教えてください。昨今、腸内細菌が性格や脳に影響を与えるという研究結果もありますよね?

 陰山康成氏(以下、陰山)「はい、腸内細菌が性格や脳に影響を与える、という研究は確かに存在します。自閉症や鬱病の患者さんは腸内フローラのバランスが崩れています。また、昨今では、子宮ではたらく善玉菌である『あげまん菌』なる菌まで発見されました(笑)」

――それはスゴいですね! そんな部分にも腸内細菌が関わっていたとは(笑)。

 陰山「正式名称が「あげまん菌」というわけではありませんが、子宮内にクリスパタス菌という善玉菌が発見されまして、この菌を多く持った女性は生理も順調で安産型であることがわかったのです」

ー自然分娩で生まれた赤ちゃんは産道から多くのクリスパタス菌をもらうため、免疫力が高いという研究結果もあるようですね。

 陰山「しかも、まだ医学的に実証されてはいないのですが、クリスパタス菌を多く持った女性と結婚した男性が目覚ましい出世を遂げるケースがありまして、そんなわけで私は「あげまん菌」と呼んでいます」

ー実に興味深いお話ですね! それ以外にも不思議な腸内細菌はありますか?

 陰山「「デブ菌」や「美魔女菌」などもあります。これはつまり、逆にいえば腸内細菌によって痩せやすい体質になることも、若々しい美魔女になることもできるということです。浮気癖のある人が多く持つ「浮気菌」だってありますよ。これも医学的には研究段階ですが、年収2000万以上の人に多く、500万以下の人には少ない「金持ち菌」も存在するといわれますね」

ーなんと、人間は腸内細菌に心身と人生を支配されている、といっても過言ではない話ですね!

 陰山「そうですね。臆病なマウスと活発なマウスの腸内細菌を入れ換えると性格が真逆になったという実験や、デブ菌の腸内フローラをマウスに移植すると何度やっても太りやすい体質になった、という実験もあります。それから、腸内環境が悪くなると免疫力が落ちて、癌や糖尿病のみならず、うつ病などの精神疾患を含めてさまざまな病気が発症しやすくなるのです」




 国立研究開発法人理化学研究所・元特別研究員の小早川智氏も腸内フローラのバランスの重要性を主張している。そして、日本人が欧米と比べると新型コロナの重症化率が少ない「ファクターX」は腸内細菌だという。

 小早川智氏「人種によって腸内フローラが異ります。2011年に『Nature』で発表された論文によると、人類の腸内細菌叢のパターン(エンテロタイプ)は3種に大別されることが分かりました。

Image from page 148 of
Image from page 148 of “Text-book of anatomy and physiology for nurses” (1913) / Internet Archive Book Images

 第1のタイプが『スウェーデン・日本人タイプ』、第2が『欧米タイプ』、第3が『アフリカ:南米タイプ』。3つのエンテロタイプには、それぞれ以下のような特徴があります。

 (1) 「スウェーデン・日本人タイプ」

 スウェーデン人と日本人に多いエンテロタイプ。ビフィドバクテリウム属、ルミノコッカス属の比率が他のエンテロタイプに比べ多いのが特徴。スウェーデン、日本とも農業と漁業の盛んな国特有の長年の食習慣が「スウェーデン・日本人タイプ」の腸内細菌叢が形成された要因と推察できる。

 食生活から考えて、穀物を主食とし、海産物を多く食べる食習慣がこのようなエンテロタイプを形成したと考えられる。

 (2)「欧米タイプ」

 欧米人や中国人によく見られるエンテロタイプ。タンパク質や脂肪を多く摂取する食習慣をもつ人に特徴的なタイプ。バクテロイデス属の比率が高い。
 
 (3)「アフリカ・南米タイプ」

 中南米やアフリカ大陸に住む人に多いエンテロタイプ。穀物を主食にしている人に多くみられる。プレボテラ属が多い。

 日本人は独特の日本型『腸内細菌叢』を有します。それは長年の和食の習慣の影響です」

 更に、米学術誌Celiに(2月18日に掲載された最新の研究論文によると、腸の中には腸内細菌のみなく、無数のウイルスが存在しているという。しかも、その半分はまったく未知のウイルスであるという。

 ウィルスには善玉と悪玉が存在するが、発見されたウイルスの多くは「バクテリオファージ」という種類で、腸内細菌の数を調整するという役割を担っている善玉ウィルスだという。

 我々の「第二の脳」にはまだまだ解明すべき未知の部分が多いようだ。人類の心身の健康増進が可能なら、今後の腸内環境の研究に益々期待したい。

文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動

著書
あなたも霊視ができる本 」文芸社
世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版

 

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