隣り合っているのに時差21時間!?ベーリング海の小さな双子島

地球は丸く、常に自転しているため遠隔地になると時差が発生する。同じ緯度の国や、隣接した緯度に位置する国であれば1時間程度で済むが、非常に離れた国であればこちらが昼でも向こうは夜、である。また国によっては、アメリカのように国内で大きな時差が存在する所もあるほどだ。

ところが、地図を見てみるとなんと「海を挟んで約4キロ程度しか離れていないのに、時差が21時間もある」という驚きの場所が存在する。

その場所は、ベーリング海峡のほぼ中央に浮かぶ小さな島、ダイオミード諸島だ。西側の大きな島がラトマノフ島、東側の小さな島がリトルダイオミード島と呼ばれている。

数キロの距離でなぜ21時間も時差があるのかというと、単純に二つの島の間に日付変更線が通っているからだ。大きいラトマノフ島はUTC+12、小さいリトルダイオミード島がUTC-9(夏季はUTC-8)である。そのため、体感的にはほぼ同じ時刻なのにも関わらず、ラトマノフ島はダイオミード島よりも時間が1日進んでいることになる。ここから2つの島は「明日島」「昨日島」と呼ばれたりもする。

さて、普通ならば同一国を両断するように時差が起きないようになっているはずである。では、なぜこの狭い二つの島の間に日付変更線が来てしまったのか……。




その背景には、アメリカとロシアの国境問題が関係している。現在はアメリカ領となっているアラスカ州だが、18世紀はロシア帝国領土だった。しかし、クリミア戦争等で経済的に疲弊した後、アラスカの領土をアメリカに売却することになった。このとき成立した1867年の米露条約にて、ダイオミード諸島が2国の国境線に認定されたのである。

冷戦時には隣接した2島の間が西側諸国と東側諸国の境界になった。また、ラトマノフ島側に住んでいた人たちは冷戦が始まると大陸側に強制移住させられ、国境が閉鎖された。そこからこの海峡は「氷のカーテン」とも呼ばれたという。

冷戦終結後は雪解けの象徴にもなったこの島は、冬期には海が凍結するためなんと実際に歩いて渡ることもできてしまう。しかし現在でも国境は存在しているため、二つの島の間の移動は禁止されている。

Two Islands in Two Countries, Two Miles and 21 Hours Apart

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©ウィキペディアより引用

 

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