
アトラスでは度々変わった姿の生物に関してのリポートをしている。
その中には奇形で生まれてしまった生物も含まれているが、アメリカのテネシー州にて非常に変わった特徴を持った野生の鹿が発見されて話題になっている。
問題の鹿はテネシー州ファラガットのコミュニティで昨年8月に発見されたもので、地域住民によれば人間をあまり気にする様子もなく、通りをさまよっていたという。
住民の報告に応じた当局が鹿を安楽死させたのだが、その際に鹿が異様な『目』をしていることに気がついた。一見目を瞑っているように思えたのだが、よく見るとなんと眼球そのものが毛皮で覆われていたのである。この鹿はテネシー野生生物資源庁に検査のために送られることになった。
Deer with hairy eyeballs found in Farragut
その後、ジョージア大学の南東部共同野生生物病研究プログラム所属の専門家らによって検査されたところ、この鹿は角膜類皮嚢胞という状態であったことが判明した。
これは皮膚のような組織が目の上に成長するもので、フィルム状の物質が髪などの体毛を発芽させる可能性があるという。今回の鹿の目にあった毛皮で覆われた膜を取り除くと、その下から完全に正常な眼球が出てきたという。
今回の鹿の研究を主導したニコール・ネメス博士によれば、鹿は1歳半であり生まれたときからこの状態であった可能性が高く、問題の組織は年をとるにつれて徐々に目の上に成長していったと考えられるという。
「鹿は時間の経過とともに減少する視野に適応することができたはずです。おそらく隙間から光を知ることはできたでしょうが、おそらくどこへ向かっていいのかは解らなかったはずです。この鹿がどのようにこの状態で長く生き残ることができたのかは謎ですが、恐らく母鹿が幼い頃から保護していたのではないかと思われています」と彼女は語っている。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©yamabon PIXABAY