怪談聞きながら喉を潤したいカクテルと言えば、どんなカクテルを思い浮かべるであろうか。赤い血みたいなドロドロしたカクテルなんか飲んだら雰囲気が出そうである。

代表的なカクテルではブラッディ・メアリー(マリー)を思い浮かべた人もいるのではないだろうか。ウォッカをトマトジュースで割ったカクテルで、真夏なんかは特に乾いた喉を潤してくれそうである。

アメリカでは週末のブランチに飲むカクテルの定番とされており、イギリスでは酔い覚ましとしても愛飲されているそうだ。

だがこのカクテルの名前には哀しくも恐ろしいエピソードが数々も秘められていたのだ!

ブラッディ・メアリーは他のバーでも考案されていたとも言われているが、パリに古くからあったハリーズ・ニューヨーク・バーという店ではバケツ・オブ・ブラッド(バケツ1杯の血)という名称のカクテルであった。

その店に来ていた常連客でメアリーという女性がいた。彼女はいつも想い人の男性が来店するのを待ちながらこのカクテルを飲んでいたことから、このような名称になったそうだ。

ブラッディ・メアリー(血まみれメアリー)とは、イングランド女王・メアリー1世(1516~1558年没)の呼び名であった。バーに通っていた女性の話とはかけ離れているように見えるが、意外にも重なる部分がわずかに垣間見える。


画像©ウィキペディアより引用

ヘンリー8世の王女として生まれたメアリーだが、母親がなかなか跡継ぎの王子を生めなかったこともあり婚姻無効とされ庶子になってしまった。

父王とその再婚相手であるアン・ブーリンから冷遇されたメアリーは、幽閉され命も狙われさらに病弱の身であった。そんな国王から寵愛されていたアンだが彼女にも跡継ぎは生まれず、姦通罪や反逆罪などの容疑をかけられ処刑された。

その後王妃に就いたジェーン・シーモアからの哀れみのおかげで、メアリーは宮廷に戻された。

やっと跡継ぎにエドワード6世が生まれたが、わずか15歳という短命で亡くなりジェーン・グレイに王位を継いでいた。しかしメアリーの支持率が高かったため、民衆蜂起により彼女が女王に即位した。

母親譲りの敬虔なカトリック信者だったメアリーは、数多くのプロテスタント教徒を死罪に追いやった。メアリーと彼女の母親に無慈悲であった父王が起こした宗教改革への反発が、彼女を冷酷な女王に仕立て上げてしまったのであろうか。

そんなメアリーには伴侶もいたが卵巣腫瘍を患い、子宝を諦め42歳で亡くなった。実に波乱まみれな寂しい生涯であった。

これらの悲劇的歴史や切ないエピソードによって、哀愁を強く帯びたカクテルとなって広まっていったのである。

このカクテルはハロウィンにもピッタリである。日本ではあまり知られていないが、アメリカではハロウィンの仮装にもされているブラッディ・マリー(メアリー)の伝説が有名である。





画像©ウィキペディアより引用

深夜に暗くした部屋の姿見の前で蝋燭を灯し、「ブラッディ・マリー(メアリー)」と3回唱えれば将来の結婚相手が見えるというおまじないがあるそうだ。だが、これは大変危険なようだ!

この儀式によって、発狂したり亡くなったりした者もいたとか・・・血まみれになった長髪の若い女が鏡の中から現われ、ひっかいたり首を絞めたりなど攻撃してきたり、鏡の中へ引きずり込もうとしてくるとも言われている。残虐なまでに目玉をくり抜かれる場合もあるそうだ!!

この恐ろしい話のモデルとされているメアリーが住んでいた家で、黒人奴隷がこの一家を殺害して逃亡したそうだ。

その後その家に住んだ別の一家全員が、首を吊った状態で発見された事件が起きたと言われている。2階の窓辺で首を吊っていた女性がマリーという名前だったそうだ。

他にもマリーという魔女の話が元になったとも言われている。マリーの家からは深夜になると、「ブラッディ・マリー(3回繰り返す)あなたのその目には何が映るの」と不気味な歌声が聞こえてきた。

マリーが住む町で子供が行方不明になり、目玉がくり抜かれた状態で発見される事件が起きた。この子供の両親はマリーを椅子に縛り付けて焼き殺してしまったが、マリーは死ぬまでその歌を歌い続けていたという話である。

他にも諸説あるが、冷酷で恐ろしい女性のイメージの中に寂しくも哀しい悲劇が共鳴していたのである。

危険なのでおすすめできないが、彼女を呼び出す際はあくまでも自己責任でお願いしたい!ブラッディ・マリー(メアリー)には、もしかしたら誰もが完敗(乾杯)するかもしれない!!

(ふりーらいたー古都奈)

参考サイト
Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.【改訂新版】カクテル--その誕生にまつわる逸話(15)Bloody Mary/12月5日(月)
闘う元バーテンダーのブログ 鏡の中のブラッディ・マリー
オカルポ ブラッディ・メアリーという都市伝説をまとめてみた|鏡の中の血まみれ少女

 

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