
一口飲むだけで病気や怪我が治る、そんな魔法の薬は今のところゲームや漫画など、創作の世界にしか登場していない。
例えば現在世界中に蔓延している新型コロナウイルス感染症が治る薬は、皆が求めているがそうそう作る事ができるものでもない。だが、海外で「新型コロナウイルスの治る薬」という触れ込みの怪しい薬を政治家が受け取って飲んでしまったという事例が発生した。
問題の怪しげな薬を飲んでしまったのはスリランカの保健大臣Pavithra Wanniarachchi氏である。彼女はバンダラ村の大工が「ヒンドゥー教の女神カーリーから独自に授かったレシピ」を元に作成した「魔法のポーション」をもらい、この薬を飲めば新型コロナウイルスの免疫を獲得できるため感染症にかからない、と触れ回ったのだ。
スリランカは現在新型コロナウイルス感染症の増加が顕著になっており、感染者は累計で58430人となっている。多くの人が予防法や特効薬を求めていたこともあり、保健大臣のお墨付きならと「魔法のポーション」を求める人々がバンダラ村に殺到する事態にもなったという。
(1) Breaking News: Health Minister Pavithra Wanniarachchi has reportedly gone into quarantine after a Rapid Antigen Test conducted on her yesterday for COVID-19, came in positive, sources told Daily Mirror last night. pic.twitter.com/0nVilCIjlg
— DailyMirror (@Dailymirror_SL) January 22, 2021
しかし「魔法のポーション」の効果はすぐに明らかになった。23日、スリランカ政府はWanniarachchi氏の新型コロナウイルス感染を発表したのだ。
しかし彼女の発言の影響は大きかったことからも、他の大臣や政府関係者にも「魔法のポーション」を飲んだ人は多かったという。そもそもWanniarachchi氏は信心深い人物だったようで、11月にも新型コロナウイルス感染症のパンデミック収束を祈願し、他の聖人の勧めで聖水を川に流す儀式を行ったりもしていたという。
スリランカ政府は盲目な信仰が正確な病気予防や対策を妨げる、として国民に注意喚起を行っている。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Yvion PIXABAY