
画像©Vincent Ciro PIXABAY
今年もクリスマスがやって来た。コロナ禍で今年はイベントも自粛モードになっているが、ATLAS読者はいかがお過ごしか。
今回はクリスマスに関する陰謀論をご紹介する。
【クリスマスは神の反逆者ニムロド王の生誕祭だった!】
イエスの降誕が12月25日だったというのは、後付けの話のようだ。実際の誕生日については諸説あるが、いずれも確固たる証拠が無い。何しろ新約聖書に記述自体が存在しないのだ。
つまりクリスマスという行事は、イエスの誕生日とは無関係に、キリスト教がローマ帝国に広まる過程で、西ヨーロッパのゲルマン民族やケルト民族が信仰する多神教や伝統と融合してできたものだったのだ。
世界を裏で支配している秘密結社イルミナティの離脱者であるジョン・トッド氏の著書「イルミナティと魔術」によると、クリスマスはイエス・キリストの誕生日ではなく、ヤハウェに最初に敵対した人間で、世界最古の都市国家と言われているバビロンの支配者でニムロド王の誕生日だという。
画像©ウィキペディアより引用
ニムロドとはヘブライ語で「反逆する者」という意味で、ニムロドはヤハウェに己の権力を見せつける為にバベルの塔を建設したが、バベルの塔は倒壊した。
「Merry Xmasの『X』というのは、二ムロドの象徴で、merry Xmas は『Magical or Merriment Communion with Nimrod』(ニムロドとの魔法または聖体拝領)という意味であるという。
ニムロドの誕生日は12月25日の日曜日である。
バビロニア王国ではニムロドの復活を祝う安息日で、死からのの復活を象徴する常緑樹にニムロドへのプレゼントとして、贈り物をくくりつける風習があり、これがクリスマスの本当の起源だという。
この習慣が古代バビロンからエジプト、ギリシャ、およびローマと時代が変わるたびに、その時代に崇拝されていた神様の名前で呼ばれるようにななったという。
【サンタクロースは悪魔の化身だった!】
クリスマスといえば誰もが思い浮かべる存在、それがサンタクロース。しかし、改めて考えてみてほしい。イエスはパレスチナで誕生したユダヤ人だが、サンタクロースは北欧からやって来るとされている。よく考えてみれば、イエスの降誕を祝うクリスマスと、サンタクロースに接点など無いように感じないだろうか。
実はサンタクロースはキリスト教と無関係な土星神の象徴だという説がある。
古代ローマ人の風習では、12月17~23日にかけて、「土星神サトゥルヌス」を奉る「サトゥルナリア祭」が行われる。時期はクリスマスと近いが、実はサトゥルヌスの風貌も、長い髭のある老人であり、サンタクロースに似ている。名前の響きが酷似している点については、いうまでもない。
また、サトゥルナリア祭でも、ヒイラギ・ヤドリギ・ユールの丸太を使用したり、祝い酒を大杯で飲む慣習があった。つまりサトゥルナリア祭こそが、クリスマスの起源と考えられるのである。
19.12.13 Chester Saturnalia Parade 30 / donald judge
ローマ帝国は広大な領土を統治する必要性から、当初迫害していたキリスト教を国教に定め、そこにゲルマン民族やケルト民族の古来からの風習を残しつつも、キリスト教に名目を書き換えていった。そしてサトゥルナリア祭は、当時のローマにあった”太陽の誕生日を祝う”冬至の祭が行われる12月25日と合わせて、キリスト教に則したクリスマスという行事として慣習化したのだ。
更に、多神教だったゲルマン民族やケルト民族の神話には、もともとサトゥルヌスとよく似た神も存在する。「オーディン」という、やはり長髭をした老人の神だ。オーディンは8本足の魔法の馬やトナカイが引くソリに乗って空を駆けまわり、煙突から家に入り、贈り物を届けるとされる。
これだけでも、サンタクロースの伝承に極めて近いことが分かるが、現代のサンタクロースのソリを引くトナカイの頭数は、8頭だったり9頭だったりする。これは当初8頭だったというのが通説で、後の世に「ルドルフ」という”赤鼻のトナカイ”が加わって9頭になったと考えられている。
本来、オーディンの馬の数と、サンタのトナカイの数は同数なのだ。このような理由から、サンタクロースの起源には、オーディンの要素も強く影響したことが考えられる。ここで、サンタクロース=サトゥルヌス=オーディンという図式が浮かび上がってくるのだ。
さて、前述の「土星神サトゥルヌス」や「オーディン」は、ともに”死”を司る神という一面も持っている。勘の良いATLAS読者は、お気づきだろうか?
そう、”死”といえば”地獄”、そして”悪魔”すなわち「サターン」が連想される――。つまり、「サンタクロースであるサトゥルヌスはサターン、すなわち悪魔の化身なのではないか?」と考える人々も存在するのだ。
ローマ神話における土星神サトゥルヌスは、ギリシア神話における農耕神「クロノス」と同一視されている。この農耕神クロノスは、神々の王「ウラヌス」に歯向かい追放してしまったが、これは神に敵対するサターンの存在に近いものがある。
画像©ウィキペディアより引用
実際、ルーベンスやゴヤといった有名な画家は、土星神サトゥルヌスと悪魔サターンを同一視した作品も描いている。さらに「クリスマスツリーの一番上にある五芒星(ごぼうせい)は悪魔の印だ」との説もあるようだ。
ちなみに魔女である筆者にとって、逆さ五芒星はルシファー(堕天使)を象徴する印であり、黒魔術にも用いるものだ。
いかがだろうか?上記の説によると、なんとクリスマスはイエスの聖誕祭ではなく、悪魔の祭だということになるのだ!
しかし、恐れることはない。そもそも神vs悪魔の善悪二元論はキリスト教のような一神教の考え方だ。ヤハウェ以外の神を受け入れないキリスト教は古代ローマやでは神は悪魔の使いになるが、日本や古代ローマ・ケルトのような森羅万象の神々を風習の中では悪魔も神の一人として受容される。
また、死を司る土星神を崇めるというのも、そもそも冬という季節が一年の終わりで生命エネルギーが落ちる時期でもあるので、不自然なことではない。森羅万象の神々を崇める日本では、むしろ本来の古代ローマ・ケルト民族のクリスマスの紀元を考えて祝うのも面白いかもしれない。
ATLAS読者にとって幸せなクリスマスになることを祈る。
(深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
深月ユリア
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動
著書
「あなたも霊視ができる本 」文芸社
「世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版