パンと葡萄酒が聖体と御血に!化学分析された「ランチャーノの奇跡」

画像©ウィキペディアより引用

今から1300年前、イタリアにて「ランチャーノの奇跡」とされる奇跡が起きた。

紀元700年頃、バジリオ修道会の司祭がミサを行っていたところ、ホスチア(キリスト教の儀式・聖別に用いられる、イースト菌を使わない円形の薄焼きパン)が肉片に、葡萄酒が杯の中で血に変化するという事態が起きた。

しかも、この肉と血はどれだけ時間が経っても経年劣化しなかった。

この司祭は聖遺物や奇跡による変化に対して、かねてより疑念を抱いていたそうなのだが、「パンと葡萄酒がイエス・キリストの聖体と御血に変わる」という奇跡を目の当たりにしていたく感動し、それぞれを象牙の容器に入れて保管することにした。

その後、この聖体は聖ロンギヌス教会に保管されていたが、地震で大きな損傷を受けたため新しく建てられた聖フランシスコ教会に移されることとなった。そして1713年には聖体が聖体顕示台に、御血は奇跡が起きた時に入れられていた杯に入れて保管されることとなった。

この時点で奇跡が起きてから既に1000年が経っていたにも関わらず、聖体と御血には何の変化もなかったという。




そしてその後、20世紀に入ってこの聖体と御血はそれぞれ化学分析にかけられることになった。奇跡に化学のメスが入ったのである。この時分析を行ったのはアレッツォ州立病院の解剖学と病理生物組織学のエドゥアルド・リノーリ教授と、シエナ大学の人間解剖学のラジェロ・ベルテリ博士の二人。また、教会からも調査委員として大司教が立ち会ったという。

7ヶ月に渡る科学的検証の後、1971年5月に調査結果が発表された。肉片は間違いなく人間のものであり、動脈の痕跡も存在する心筋の一部であることが判明、血はAB形の人物のものであることが解ったのである。

なお、一回の調査結果で教会側も安心することはなく、1999年に教皇フランシスコが地元の医師に命じて再度分析を行っている。その結果、2006年まで分析結果が出なかったが、「肉片は左心室心筋であり、無傷の白血球を含むヒトの血液」であることが判明したという。

双方の結果で人間の体組織であることが判明しているが、専門家だけでなく教会側も慎重であり、「何者かの手によって現代人の心筋とすり替えられた可能性が少なくない」と懐疑的な見解を寄せている。

果たして、「ランチャーノの奇跡」の真実が明らかになる日は来るのだろうか。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る