ダ・ヴィンチの手による「キリストのスケッチ」が発見された!?
- 2020/11/21
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- イエス・キリスト, レオナルド・ダ・ヴィンチ

万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の作品は死後大半が散逸したとされており、もし埋もれていた新たな作品の存在が判明した場合、その価値は計り知れないとされている。
最近、膨大な個人コレクションの中に埋もれていたたイエス・キリストのスケッチが、これまで確認されていなかったダ・ヴィンチの遺失作品であるという説が出てきて注目されている。
この説を唱えているのはダ・ヴィンチの研究を行っている芸術学者のアンナ・リサ・ディマリア氏である。彼女はこのスケッチを発見した時、相当驚いたそうで「非常に美しく洗練された作品であり、レオナルドによるスケッチであると確信しました」と語っている。
ダ・ヴィンチの筆だとする証拠について、具体的には目とあごひげの筆致がレオナルドの自画像と実質的に同じである点を上げている。また、今回のキリストのスケッチの顔の角度にも言及。
ダ・ヴィンチはめったに正面から人物を描くことがなく、さらに彼がスケッチする際に多用した赤いチョークで描画されている点も指摘している。またスケッチされた紙の年代測定もダ・ヴィンチの活動した年代と同じ16世紀のものであることが判明している。
彼女はこれらの証拠をもってレオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチであるとフランスの新聞において断言している。
Newly found sketch of Christ likely unknown masterpiece by Da Vinci https://t.co/X6U8HtquvX pic.twitter.com/h2a1VxeGRp
— New York Post (@nypost) November 18, 2020
しかし、芸術関係の全ての人が彼女の説に賛同しているわけではない。
オックスフォード大学の芸術教授であるマーティン・ケンプ氏は「この説を却下するつもりはないが、もう少し検証を重ねる必要がある。現時点で断言してしまうのは早計ではないか」と慎重な見解を示しており、描画方法の独立した分析とスケッチされた紙に対する科学的年代測定の更なる検証が結論に至るまでの重要な要素であると述べている。
また彼は重要な手がかりの1つとして、「レオナルド・ダ・ヴィンチは左利きであり、タッチからすべての作品が左手で描かれたことが判明している」点をあげ、スケッチの筆致をより精査すべきではないかと語っている。さらに、これらの点を検証できたとしても、ダ・ヴィンチの弟子や信奉者によって制作されたキリスト等の絵画がかなり存在しており、タッチを極めて模倣できたダ・ヴィンチの弟子による作品であった可能性も十分にあり得るとのことである。
このスケッチは今後間違いなくディ・マリア氏の仮説を検証するために世界中の芸術専門家から精査されることになるとみられている。しかし、もし真筆であることが判明した場合、このスケッチの価値ははね上がることは間違いないとのことだ。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©ウィキペディアより引用