来年から英国で生産、「空から作られた」環境に優しいダイヤモンド

無から有を、様々な物質から金を生み出す錬金術。錬金術を実際に成功させた人物はいないが、ダイヤモンドなら生み出すことができるかもしれない。

そんな現代の錬金術ともいうべき壮大な計画が打ち上げられて話題になっている。事実上何もないところからダイヤモンドを作るという現実にはあり得ないような計画を打ち立てたのは起業家のデイル・ヴィンス氏だ。

彼は「空」から貴重な宝石であるダイヤモンドを合成する技術を開発したと主張している。

ダイヤモンド採掘は非常に危険かつ大規模な環境汚染を伴う事業でもある。たとえば1カラットのダイヤモンドを生産するには膨大な掘削量と3,890リットルの水を必要とし、100kgを超える二酸化炭素が排出される。

しかし、ヴィンス氏が提唱する新しい技術では、大気から二酸化炭素を除去しつつダイヤモンドを合成するというもので、地球環境にもプラスの効果を生み出すことができると彼は主張している。




ヴィンス氏はガーディアン紙に以下のように語る。

「ダイヤモンドを作るために地球を採掘する必要はありません。空を採掘すればいいのです」

グロスターシャーにある彼のダイヤモンド「工場」では、化学蒸着と呼ばれる新しいプロセスを使用してダイヤモンドを作成するとのことだ。

特殊な機器で二酸化炭素ガスを集め、チャンバー内で「ダイヤモンドシード」を800ºCに加熱する。ダイヤモンドは自然に地下に形成されるまでに数百万年から数百万年かかるが、この「シード」からできるダイヤモンドは天然のものと構造的に区別がつかない出来になるという。

ヴィンス氏が今回の手法で完璧なダイヤモンドを量産できれば、間違いなく世界市場でのダイヤモンドの価値を下げると考えられている。彼は、環境に優しい「スカイダイヤモンド」の金額はまだ決めていないという。現代の錬金術は成功するのか、注目が集まっている。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Moo YuenSheng PIXABAY

 

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