
投稿 大阪 ももさん
初めての生霊
Mちゃんが社会人、私はまだ大学生のときです。
私は部屋で前日の夜更かしから昼間に寝ておりました。突然、金縛りに襲われました。金縛りそのものはもう数えきれないほど体験していましたが、本当に胸がおしつぶされそうな、かなりキツイものでした。
なんとか目を開けたいと思い必死でタイミングを見計らい開けたら、仰向けに寝ていた私の顔の上にはMちゃんの顔がありました。私の胸の上あたりに正座して座っているのか浮いているのか(胸が異様に苦しかったので乗られている感覚でした)、そこから覆うように顔を近づけて無表情に私の顔をずっと見ているのです。
瞬間、「わあああっつ」となりましてようやく金縛りが解け、実際に目が覚めた感じでした。
どっさり汗がでており、(これはMちゃんになにかあったに違いない)と思いました。いてもたってもいられず、勤務先に連絡してみました。あまりにもリアルな出来事ゆえに事故でもしていたらと不安だったからです。
幸い本人と連絡がとれてホッとしました。
何年かして「あのときは突然電話してごめんね」なんて言ってたら、そのときどうしていたかを話してくれました。あのころ、仕事や人間関係でかなり行き詰っていたとのことで、あまりに苦しくてよく遊んでいたわたしのことを考えていながら日々耐えていたそうです。
「今、なにしてんのかな〜」「こんな嫌なところじゃなくて話したいな〜、会いたいな〜」と思っていたピークに私から電話があったと。だから電話はしてくれてよかったと私の金縛りの胸の苦しさはMちゃんの心の苦しさだったのでは?と思っています。
玄関から入ってくるもの
私も社会人となった20代、一人暮らしのMちゃんの家(間取りは1DK)が私の仕事場に近いこともありよく泊まりに行きました。
私は販売職で平日が休み、Mちゃんは事務職で土日休みとまったく生活スタイルが違っていたのですが、私は仕事のストレスが溜まるとよく平日休みの前日に泊まり爆睡、Mちゃんは私を置いて仕事に行くといった感じでした。
朝7時台にはMちゃんは出勤。“ガチャッ”と玄関の閉まる音、私は寝ておりました。
しばらくするとガチャガチャと鍵のあける音、玄関がバタンと開く音間違いなくしました。
「あれ?忘れ物かな」と思った瞬間、金縛りになりました。「シュッシュッシュッ」と連続してスプレーを吹きかけるような音がするのです。
最初隣りの部屋の人が何かしているのかと思いましたが、爆音ならともかくそんな音、聞こえるわけもなく、あきらかに台所には人の気配、そしてそこからしつこく「シュッシュッシュッ」の音。
かなり苦しい金縛り状態になり、(この部屋古いし、もしかしてお化けか!)とよぎりました。音がやんだら次は冷蔵庫を開ける音。当時、その冷蔵庫には開けると音が鳴るものがあり、その開けたときの鳴っている音まで聞こえたのです。
もう金縛りの苦しさと恐怖でアップアップしておりましたら冷蔵庫が閉まる音がして、気が済んだように玄関から出ていく音がしました。鍵のかける音までしっかり聞こえたところで金縛りがとけました。
どっちゃり汗をかいており、はあはあ息切れするほどで(事故物件かいなここは?)と思いながらも、(この感覚は以前たしか〜)と過去の生霊体験を思い出しました。
夕方Mちゃんが帰宅、いきなり言われました。
「ごめーん、今日台所臭かったやろ〜。電車乗ってて思い出してさあ、生ごみ臭がハンパなかったからにおい消しスプレーシュッシュッしようと思ってたのに忘れたからさあ、もう気になって気になって戻れるものなら戻りたかったわあ、喉も乾いててホンマ朝から疲れたわあ。臭かったやろ〜ごめんごめん」
私は体験したことを話しました。
すると「たぶんそれ私やわ、その行動、すべて朝私が戻ってやりたかったことやもん。生霊でも玄関まできっちり閉めていくあたり、A型らしいやろ」とのうれしそうな返答。
私はめちゃくちゃ苦しい怖い思いしたのに。ちなみに朝、台所は全く臭くなかったです。≪後編に続く≫
(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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