人間への復讐か?スペイン近海でシャチが船を襲撃

スペイン近海で、7月以降にシャチが集団で小型船を襲撃する、という報告が多く寄せられているという。

襲撃は少なくとも33回、シャチの小規模な群れが小型船を取り囲み、意図的に舵に突っ込んで深刻な損傷を引き起こしたり、場合によっては船舶が航行不能になるダメージを与えてきているという。

シャチの攻撃は大半がスペインの北西海岸沖で発生しており、ジブラルタル海峡で6隻、ポルトガル海域で5隻が襲撃されたという。このまま放っておけば非常に深刻な事態も起きる懸念があるため、スペイン当局は小型船舶に襲撃が多発している海岸線に沿って出航しないよう指示している。

シャチは海の最強の肉食動物とも言われている生物である。人間や船を獲物と思って襲撃することがあってもおかしくないように感じるが、かなり知能が高いため、無闇に船を襲うケースはあまり報告されていなかった。また、今回の襲撃についても全てのシャチが凶暴化したわけでなく、研究者によれば少なくとも襲撃事件の61%が、Gladis Black、Gladis White、GladisGreyと名付けられたシャチの群れによるものとみられている。

なお、それとは別に大人の2頭のシャチが襲撃に関与している可能性があるという。




シャチの攻撃は一貫して船舶の舵を目標に突進するというもので、船の最も弱い部分を的確に狙っているように見えるが、単に海棲哺乳類が舵が水中で発する音に引き付けられているにすぎないとも言えるので、突進の正確な理由は解っていない。

ではなぜ、シャチが船を襲うようになったのか……。

前述の襲撃していた個体に負傷している様子が見られたので、以前にボートとの衝突で負傷したために復讐でボートを攻撃しているのでは、と考えられてもいるが、推測の域を出ていない。そもそも襲撃した際にボートに衝突して負傷しただけなのかもしれないからだ。

ポルトガルのアベイロ大学の海洋生物学者Alfredo López氏と海洋哺乳類研究コーディネーター(CEMMA)のJose Cedeira氏は、前例のないシャチ襲撃事件を調査するために研究チームを結成している。海洋生物学者のRocío Espada氏は、今回のケースは海洋哺乳類によるまったく新しい行動であると述べており、またWhaleSanctuaryプロジェクトのLori Marino氏はシャチが非常に知的であることから、高い縄張り意識が攻撃性に繋がっているのかもしれないと述べる。

今後の調査と研究の結果、シャチの襲撃事件の謎が解けるのかもしれない。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

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