偽パワーストーンを暴く!

画像@keiichiro_oyama / Twitter

先日、Twitterにて宝石鑑定士による鑑別書付きサファイアのフェイクを指摘するツイートが話題となった。わざわざ鑑別書まで付けられて、まるで本物のように売られているサファイアが、実はガラスであったという内容だ。

鑑別書というのは鉱物全般の分析結果であり、よく間違われる鑑定書というものはダイヤモンドのみに付属するもので、成分分析だけでなくグレーディング(品質鑑定)も行われる。しかし、この鑑別書というのも海外のものだと簡単なラミネート加工が施されているだけである場合が多い為、正直いって画像編集の知識がありラミネーターを所持していれば誰でも作れてしまう。

そのツイートのスレッドには、他の宝石も含めて簡易的な見分け方法がツイートされているのでメルカリやオークションで安値で宝石類を手に入れたという方、もしくはこれからネットで宝石を買おうと考えてる方は一度目を通してみては如何だろうか。

おおかたこれらのフェイク品は着色ガラスで作られているものだが、鉱物の中には「天然ガラス」と呼ばれる部類のものもあり、材質が同じガラスである為それらのフェイク品は更に数が多く、スピリチュアルを楯にしているから尚更悪質だ。

弊社で担っている『龍神プロジェクト』ではそんな悪質な商売の被害を更に食い止めたく、今回は悪質な偽物としてよく売られている鉱物を紹介する。

■モルダバイト

1460万年前に地球に衝突した小惑星の衝撃によって出来たガラス。地上の土でも2000度以上になるとガラスが生成されるが、小惑星衝突クラスになるとこういった美しいガラスが生成される。モルダウ川などで採掘される事からモルダバイトと名付けられた。鉄分などの影響でこのような深い緑色をしている。


画像@由乃夢朗 ※筆者が所有する本物のモルダバイト




太古よりシャーマンなどが霊的な儀式に使ったり、婚姻の贈答品としてありがたがられ、霊感を上げる石として有名なのだが希少な鉱物の為とても高額だ。

それが最近、オークションや海外通販サイトWishで10分の1以下の価格で売られているのだが、見渡す限り偽物ばかり…だが見分け方は簡単だ。

本物のモルダバイトに球状のものなど存在しないし、色は暗い緑色で表面はあまりテカテカしていない。よくゴジラのようだと言われる。もう一つ、モルダバイトの特徴として手の中に納まるサイズのものしか見つからず、溶けた土が飛散した際に固まった鉱物なので球状のものなどは存在しない。


画像※偽物のモルダバイト

本物はこんなに鮮やかではないし、球状のものは存在しない。こんな大きなものが見つかれば100万近い値がつくだろう。

より確証が欲しい方は日本彩珠宝石研究所などの日本に公的に存在する鑑別書を発行できるショップから購入しよう。鑑別だけで3500円~5000円ほどかかってしまうが、偽物かどうかわからないものを手にしてモヤモヤするよりもずっとマシだ。

隕石衝突で出来たガラスとしてリビアングラスも有名だが、何故かこちらの偽物はモルダバイトよりは少ない。理由はニセモルダバイトの原料が流通量の多いコーラやワインの緑色の空き瓶だからだ。


画像@由乃夢朗 ※筆者が所有する本物のリビアングラス

本物のリビアングラスは内包物としてクリストバライトが挙げられる。瞬間的にガラスが生成される以上の高温に達すると、一部が白いポップコーンのような粒々が生成され、内包されている。雷が落ちた水晶(ライトニングクォーツ)などにも同様に確認出来る特徴だ。

■オブシディアン

溶岩から出来た黒いガラス。黒曜石とも呼ばれ、その昔は研いで矢じりやモリとして活用された。成分によって赤い模様が入ったり、先述したクリストバライトによって雪のような模様が入っていたりするが、これらはわりと安価で手に入る事から偽物は作られない。狙われるのはレインボーオブシディアン。複雑な成分が絶妙なバランスで虹色の煌めきを作っている為に普通のオブシディアンよりは高額になるのだが、そのレインボーオブシディアンの偽物が出回っているのだ。

が、見分けはとても簡単。偽物として出回っているレインボーオブシディアンはどういうわけか色のついた透明なガラスで、モルダバイトの偽物にかなり近い。原料は同じく空き瓶で黒曜石の特徴である「基調が黒」である点が全くないのである。しかし鉱物に詳しくない人からすると、「溶岩で出来た天然ガラス」という謳い文句と商品画像を見ただけで「おおっ…こんなに綺麗なものが自然にできるのか…」と感動し購入してしまうパターンがあるようなので、周りにも注意喚起して頂きたい。

■アンダラクリスタルとローマングラス

スピリチュアル界隈で人気のアンダラクリスタル。インドネシアや南アフリカが産地で、なんと超古代文明レムリアが残したものだという。なので、ある意味では公式に人工ガラスという事になるのだが、筆者の知るかぎりはこのアンダラクリスタルを鑑別に出した結果、ただの着色ガラスという結果が出た例しか知らない。

もうひとつ大きな根拠として、ガラスの経年劣化の観点が欠かせない。紀元前60年頃にローマ帝国時代に庶民の日用品としてつくられたガラスが出土したものをローマングラスと言うのだが、長年土に埋まっていたこのローマングラスは化学的に変質しており表面が七色になる銀化現象というものが視認出来る。その煌びやかな見栄えから、現代では宝石のように扱われているが、このローマングラスが示すようにガラスというものは土などに触れて経年劣化すると、アルカリ成分が土中に溶け出すことによってガラスそのものが変質する。

しかし、このアンダラクリスタルは新品のようにピカピカで、そのような変化は全く見られないのだ。ローマングラスとは比べものにならないほど古いものだというのに…。しかも産地の一つであるアフリカ大陸は酸化鉄が極めて多い土壌であり、そこにガラスが埋まっていれば化学変化は免れない筈だ。アンダラクリスタル信者は高い波動で守られているだなんて言い出しそうだが、非科学的な妄信を今一度見直す事をおすすめする。

筆者が知る限り、原料は冒頭で紹介した偽サファイアと同じただの現代のガラスゴミなのだから。




アンダラクリスタルは大変高額で売られている。是非、検索して確かめて頂きたい。しかし店によっては出所そのものが怪しい商品という事に確証を持ち、低価格で手放し始めたショップも多い。ショップもまた悪質な鉱石業者の被害者なのだ…。

そもそもがガラスである事を認めているのであれば、結晶ではないのだからクリスタルと呼ぶ事自体おかしいのである。ガラスと水晶の違いはケイ素の結晶であるかどうかという点なのだ。

そしてこのアンダラクリスタルは「エネルギー測定を行うと高い波動を示す」などと謳って売られているが、筆者の知る限り何のエネルギーや波動を指したものなのか全く書かれていない。波動という言葉を使われると一見科学的のような謳い文句だが、全くもって非科学的である。似非スピリチュアル界隈でもよくつかわれるパターンだ…波動という概念自体に罪はないのにこういった悪質な商売による功罪は科学概念への間違った偏見まで生んでしまう。

フェイクというと本来は本物があって成立する存在だが、アンダラクリスタルは最初から全てが偽物と同類と言っても良い。


画像@由乃夢朗 ※筆者所有の本物のローマングラス

ローマングラスも偽物が存在するが、モルダバイトやアンダラクリスタルと比べると価格は抑えめなので圧倒的に数が少ない。見分け方は簡単で、水に濡らすだけ。銀化現象で虹色に見える仕組みは、ガラス表面にできた微細な被膜内の空気の乱反射によって七色に輝いている為、水に濡れるとその反射が失われ、乾くまで虹色が失われるという特徴がある。ただ、これは買う前には確認出来ない方法なので、購入前の確認方法としては出品者の評価などから判断するしかない。

■テラヘルツ鉱石

こちらはガラスではないのだが、アンダラグラスと同様に「初っ端から偽物」と言っても過言でない「科学的」を装った非科学的で悪質な商品のため紹介したい。それは、テラヘルツ鉱石。1秒間に1兆回振動する周波数を表す「テラヘルツ波」を持ち物凄いパワーを秘めており身体に良いという…が、その振動数は事実だ。

何がおかしいって、とんでもない振動数のように見えるがほとんどの鉱物や物質と並べても特別高い数値ではないのだ。むしろ銅の方が振動数が高いので、テラヘルツが身体に良いのであれば10円玉の方が良いという事になる。そしてあたかも自然からとってきたかのような商品名だがこのテラヘルツ鉱石の正体はただの純度の高いケイ素で、人工的に作られたシリコンだ。

氷に載せると早く溶けるのが証拠と言う愚か者もいるが、熱伝導率の違いの話なので至極当然の事。これも10円玉の方が早いのでやってみるといい。

筆者の知る限り、このテラヘルツが作られた経緯は電子工業にある。閉鎖した工場などの余った原料から作られ、スピリチュアルな効果を付加して販売されたという。本物のテラヘルツ波研究者がこのようなまがいものでイメージ低下を懸念し激怒している。

◆まとめ

他にも鉱物には数多くのフェイクが存在するが、基本的に「鉱物名(宝石名)」で検索すれば価格相場はすぐに分かるし、それよりもやけに安価であったり、出品者の評価やショップの傾向を見れば簡単に見分けはつく。オカルトやスピリチュアルを好む人間として本物を見分ける必要があるのは鉱物だけでないので、こうした機会に読者もその目を養う目線を持って頂ければ幸いである。中でもWish.comは鉱物に限らずかなりの数の商品が紛い物なので注意して頂きたい。

…が、中には本物ではないかという絶妙な価格帯と見栄え(作るとしても大変なもの)で判断が難しい興味深い鉱物も存在するので、後日筆者が検証したいと思っている。その様子や実際に届いたものを筆者のYouTubeで紹介するので、龍神プロジェクトチャンネルと併せて是非ご登録頂ければ幸いである。

YouTube「夢朗チャンネル」
https://www.youtube.com/c/yumerou

(由乃夢朗)

㈱山口敏太郎タートルカンパニー所属。仙台出身。
イラストレーターの傍ら幼少からの不思議体験を元に科学・統計・神仏を重んじオカルト研究をしつ
つ作家とタレントとして活動。何事も妄信はせずフィーリングとロジックの両方を重んじる事をモッ
トーにしている。

 

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