火事を呼ぶ呪いは「ウソ」だった!?「泣く少年」に隠された真実

先日、アトラスでは火災を引き起こす呪われた絵「泣く少年」の絵について紹介した。

イタリアの画家ジョバンニ・ブラゴリンが1950年代に作成したもので、泣く少年や少女の絵は非常に高い評価を得て、複製画を含めた多くの作品が世に出ることとなった。だが、1980年代に「火災現場に必ずこの絵がある」と噂になり、呪われた絵だとされるようになった。

さて、この「泣く少年」の絵の呪いについて、調べていくと意外な事実が判明した。

まず、「火災現場にかならずこの絵があった」という報告は、イギリスの大衆紙SUN紙の報道によるものだ。報道、というより噂を過剰に煽る書き方を紙面で行ったため、多くの人が噂を真に受けることになってしまった。第一、SUN紙の書いたような「消防士が火災現場で必ず無傷のこの絵を発見している」といった消防士の報告自体が存在していなかったのだ。

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「火災を引き起こす呪われた絵」の噂を受けて消防署も調査が行っており、近年の火災の原因は大故障した電気ヒーターやタバコの不始末など、大半がありふれた原因によるものであるという結論を出している。また前述の通り、当時の消防士や関係者の中で「泣く少年」の絵に言及した人物はいなかったことが判明している。




この絵の噂が爆発的に広がった背景には、1960年代から1970年代にかけて「泣く少年」をはじめとする子供たちの複製画がイギリス国内のデパートで数万部は販売されていたことと深い関係があるという指摘がある。

サウスヨークシャー消防局の最高部門責任者であるミック・ライリー氏は火事と絵の関係を明らかにするため、まず絵自体を調べてみた。その結果、「泣く少年」の絵は高密度ハードボードに印刷されていることが判明。火を呼ぶどころかむしろ燃えにくい素材だったことが明らかになったのだ。

だとすると火災現場で燃え残った様子が確認された、という噂にも説明がつくかもしれない。ということで、イギリスの作家でありコメディアンのスティーブ・パント氏が、BBCラジオ4の協力で「泣く少年」の呪いを徹底調査することにした。

番組の調査で複製画は撥火剤を含むワニスで処理されていることが判明。火災現場でどうしてこの絵だけ残るのか、という点についても、まず壁に絵をかけてある紐が最初に焼き切れ、絵が床に落ちる。この時裏向きで落ちることが多く、燃えにくい素材であることも重なって火事による損傷から保護される事を突き止めたのである。

つまり、「火災を呼ぶ呪いの絵」は単に燃えにくい素材で出来た絵が大量に出回っていたことによるものでしかなかったのである。

しかし、一度火が着いた噂は瞬く間にイギリス国内に燃え広がり、なんと「火災を呼ぶ呪われた少年の絵を燃やして供養する」イベントまで開催されるに至った。検証が行われたのが後年であったとはいえ、真相が明らかになった今でも「泣く少年」の話は今でもまことしやかに語り継がれている。

(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

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