
みなさんは今から約1年前、Facebook初の奇妙な大規模イベントが話題になったことを覚えているだろうか。
2019年9月20日、アメリカのネバダ州レイチェルの小さな町に約2,000人が集結した。おそらくこれまでで最も奇妙なSNS発のイベント、「Storm area 51(ストームエリア51)」だ。
あるカリフォルニア州在住の学生が「エリア51をみんなで取り囲み、UFO基地の秘密を解き明かそう」と呼び掛けたイベントは思いの外、人々の注目を集め、当初は参加を希望する人数が200万人まで膨れ上がった。実際にもしこれだけの人数が基地に集結したとしたら、米軍も止めることができずゲートを突破されてしまったことだろう。
Latest Documentary Short: After a prank Facebook event goes viral, thousands flock to the disappearing town of Rachel, Nevada — twenty-seven miles north of Area 51. Scott Lazer directs ‘Visitors’.
Watch on the link: https://t.co/awAaKclBdr@scott_lazer #DirectorsLibrary pic.twitter.com/xQgY3RlYOc
— Directors’ Library (@directorlibrary) September 24, 2020
発起人の男性は「昨年の6月27日、私は冗談半分で投稿しました。最初は40人程度だったのが、3日もすると私自身にはどうにもできなくなる規模まで膨れ上がっていました」と語る。一介の学生でしかない彼には、自身の何気ない呟きがどれほど注目を集め、どのような影響を及ぼすかという事実を予測することはできなかっただろう。
恐らく企業や学者にも難しかったと思われる。後にイベントは「エイリアンストック」と改名され、一般企業が運営に入り音楽イベントへと変化。参加者も大幅に減って2000人程度と、田舎町で行われた比較的平和なフェスとして幕を閉じた。
しかし一連の騒動は、基地はもちろん周辺の田舎町にとってはたまったものではなかった。小さな宿泊施設しかない町に多くの人々が集結した場合、対処する方法はなかった。最終的に規模は現実的なものになったが、この一連の騒動は地元企業や住民にとって長い間大きな頭痛の種となった。
町自体もイベントとその余波によって引き起こされた法的問題や意見の不一致が地元の企業に損害を与え、今日までコミュニティを分割し続けているという。
一人の青年の思いつきから産まれた大きな混乱は、一年経った現在でも未だに終結を見ていないようだ。
(飯山俊樹 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Ken Lund