社会実験として産み出された怪人「夢の中の男、this man」

皆さんは夢の中でこのような顔の人物に会ったことはないだろうか。

おそらく東洋系で、大きな目と薄い唇の口、太く濃い眉、生え際の後退した髪は黒い。なかなか濃いめの顔立ちで、たしかに一目見たらなかなか忘れられなさそうだ。

この人物が注目を集めることになったのは2006年のことである。1月、ある女性の夢にこの人物が度々現れアドバイスをしてくるようになった。しかしあまりに何度も夢に見るため、彼女は精神科医のもとを訪ねて相談、その男性の似顔絵を描くことにした。

後日、精神科医が保管していた似顔絵をたまたま見た別の患者が「自分の夢の中にもこの男性が出てきた」と証言。そこで精神科医が他の医者に似顔絵を送り、患者の中でこの男性を見たことのある人物はいないか聞いてみてほしい、と依頼したところ、何人かの患者は確かに「夢に出てきた」と回答。更なる証言を集めるため、公式サイトまで作られて情報が集められるようになった。

公式サイト「thisman.org」によれば、サイト開設からほどなくして国を問わず「この男を夢で見た」という証言が集まり、その数は数千件を超えるという。

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ここまでがよく知られた都市伝説の怪人物「this man」のあらましだ。だが、実はこの「this man」にはとんでもない背景があった。




実は、最初に「this man」を夢で見た女性も、彼女が相談した精神科医も存在しない。「this man」の話は全てが作り話だったのだ。

この「this man」とその公式サイトはイタリアの社会学者アンドレア・ナテッラ氏がネット上における情報拡散とマーケティング方法の効果を実証するために行った社会実験だったのだ。

しかし、創作にも関わらず話が広まっていくにつれ、「this manを本当に見た」という証言が沢山寄せられることとなってしまったのだ。

恐らく、印象深い顔になるように計算して作られたモンタージュのため、勝手に連想して「見たことがある」と錯覚してしまっているのではないかと考えられている。また、夢は印象に残ったものが出てくることが多いため、絵を見たあとで夢の中に出現したのを勘違いした可能性もある、と言われている。

創作の怪人を実際に目撃してしまうケースはスレンダーマンやサイレンヘッド等でも確認されている。もしかすると「this man」も、多くの人に語られていくうちにいつの間にか実体を得てしまったのかもしれない。

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【夢男】夢に現れる謎の男!『THIS MAN』の不気味すぎる都市伝説【都市伝説】

(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©http://www.thisman.org/portraits/ より引用

 

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