自殺者からのメッセージ!?

知人A子さんから教えて頂いた不思議な話である。

当時のA子さんは宮城県から神奈川県まで、実家の事情で通い介護をしていた。A子さんは離婚されており、小学生だった一人娘の存在が唯一の生きていく希望であった。

だが介護と育児の両立に限界を感じたA子さんは、とうとう愛娘の親権を前夫に譲らざるを得ない状況に追い詰められてしまった。既に離婚前から実家の事情と夫婦関係に一人悩み、心身壊れかけていたA子さんには最大の打撃であった。

心のよりどころや生きがいを見失ってしまったA子さんの胸中には、いつしか死という選択肢が浮かぶようになっていた。
彼女は地元にある自殺の名所と呼ばれる秋保大滝を訪れた。

この日は幸いながら、たまたま水量が少なかったため断念した。その近くに高い橋があったが、そこから飛び降りようとはなぜかその時思いつかなかったそうだ。


画像©naleapt photoAC




一旦は思いとどまったが、それだけでは終わらなかった。

秋保大滝を訪れてから、随分経っていた頃だったそうだ。A子さんが住んでいたアパートの向かいに建っていた、新築マンションで飛び降りがあった。リストラにより行き場を失ってしまったサラリーマンの自殺だったようだ。

彼女はつられたように向かいのマンションまで歩き、非常階段を登り出した。

まだ三段目にさしかかった所で、火災報知器が突然鳴った!

ふと我に返ったA子さんは、誰か助けなければいけない気持ちに駆られた。マンションや近所に住んでいた人々も、慌てて飛び出してきたが何もない様子。単なる子供のいたずらだったようだ。

二回も自殺に失敗したA子さんはやるせない気持ちが溢れ出て、自宅に帰ると壁に頭を打ちつけた。それでも義務と責任感から逃れられず通い介護を続けていたが、死にたい欲求は日に日に積もり積もっていった。




あれから再び同じ衝動に駆られた彼女は、向かいのマンションを見て呟いた。

「連れて逝ってくれ」

その時、男性のような声がはっきり聞こえてきた!

「私は一時の感情で死を選んだ。後悔している。」

耳ではなく、頭の中にキーンと響いてきたようだった。

それから死にたいと思うことはあっても、自殺する衝動が起きなくなったそうだ。果たして飛び降り自殺した男性からのメッセージだったのであろうか。

自殺者の霊は同じく自殺する者を引き寄せるとよく聞く話であるが、いずれにしても不思議な因縁である。

A子さんは筆者にも会うたび明るく笑顔で接してくれるので、今ではとても想像できない壮絶な過去である。現在の彼女は好きな仕事に生きており、大人に成長した娘さんとも仲良し親子のままである。

今でもA子さんは初めて自殺を図ろうとした日になると、秋保大滝の不動尊に毎年手を合わせに行くそうだ。目に見えない存在が彼女を護ってくれているのかもしれない。


画像©ウィキペディアより引用

(ふりーらいたー古都奈)

 

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