見てくれなんぼ商売

芸能界の主力商品といえば、まず俳優と歌手、次いでお笑い系の芸人、声優そして何をやっているのか定かでないタレントということになる。

モデルに関しては、実はこれが芸能なのかどうかは判断が難しく、労働基準法においてもモデル事務所は芸能プロとは違い、人材派遣業に区分されている。

歌手や演奏家は実演者ということで、その持てる専門技術を売り物にしている。(歌も歌っているアイドルを歌手に入れるかどうかは議論もあるだろうが)なのだが、ここで問題なのになるのは、彼等彼女らの容姿・見た目のことである。




掻い摘んで言えば、まず美男美女から金になる、ついで、不細工とか、かなり変わったインパクトのある見た目が重宝がられる。とくにスターとよばれる美男美女は競争率がとてつもなく高い。

その地位を維持するのには、並大抵でない努力と事務所の力が必要なわけであり、それを損なうようなスキャンダルには特に警戒をしている。

スキャンダルは醜聞(しゅうぶん)と訳されるが、ようするに犯罪やよからぬ振る舞いや、ひどく恥ずかしい行い発言などのことである。これに加えて男女関係が大きく加わるが、今のご時世、まともな恋愛なら話題でもあってもスキャンダルにはならなくなっているのも事実である。

だが、ここに芸能界で忌み嫌われ、まだ多くの人と事務所がひた隠しにしたがるものがある。

心身の障がいである。なかでも芸能人当人のことではなくその子供のことである。

こう書くと、子供の障がいを発表している人たちもいるではないかと、反論される方々もおられるだろう。たしかに、子供さんの障がいを発表している芸能人としては、風見しんごさん、龍円愛梨さん、奥山佳江さん、そしてそのことを契機として国会議員になった元SPEEDの今井絵理子さんなどがいる。(ちなみに、私は今井さんと同じ障害児支援グループにいた方に、話を聞いたことがあるのだが、今井さんはこのグループ内では大変に評判がよく、信頼もされていた方だという。そこに目をつけた自民党が国会議員へと拾い上げたということなのだ )

だが、芸能界ではこれらの方は少数派で、障がいのある子供たちを持つ芸能人の多くは、その存在をひた隠しに隠しているのが現実である。

なぜそうなのか……どうやら、障がいを恥ずかしいもの、汚いもの、隠すべきものと考えているからだ。

こういった差別は、日本でも結構最近まで広く共有された考えであり、戦前ではそれこそ、そういった人たちを蔵や座敷牢に閉じ込めていたりもしていた。だが、昭和も終わりのころから人権意識と、教育のおかげで徐々に無くなり続けている。

しかし、芸能界ではどうしたことか、とりわけスターといわれる人の子供に障がいがあった場合、モノに憑かれたかのようにこれを隠し続けるのが当然とされている。




偽善の仮面スター

一つ一番大きくて有名な例をあげておこう。

とある国民的といわれていたアイドル出身で、歌にも映画・ドラマでも活躍して、民放のチャリティー番組にも出演していたスターがいる。

仮にA事務所のBとしておこう。

元々在日韓国人であった彼はスターになっても素性を隠しつづけ、やはり在日系の元アイドルの女性と結婚をした。やがて子供が生まれたのだが、その子供はダウン症を患っていた。ダウン症は染色体異常の遺伝病である。そのこと自体、誰の身の上にでも起こり得ることなのだから、恥じるとかいうことは全く当たらない。

だが、A事務所、彼本人とその家族は、この子の病いをひた隠すことにした。そして、その隠し方は尋常ではなかった。

まず、子供を某所にある、障がい児施設に入れることにした。そして、その町の駅前タワーマンションのワンフロアーを買い、そこに東京から行き来をしながら面倒を見るのだが、表向きの理由はサーフィンをするためだとしていた。

このことは地元ではだれ一人知らぬものがいない話なのだが、世間には「こどもは元気な赤ちゃんです」といっていた。さらにご丁寧に、ネットに漏れてくる真実を隠すために、工作員を雇い、書き込みに反論するだけではなく、芸能情報サイトなるものをいくつも立ち上げて、そこで「この情報は全くのガセネタです」と物量作戦を展開していたのだ。
 
私は何も子供の障がいをことをことさら喧伝しろといっているのではない。まず、障がいが恥ずかしいだのという考えが間違いだといっているのだ。そして、自身のありようを、恥ずかしいものとされてしまっている、子供のことを考えろといっているのだ。

年端もいかない子供が、実の父母から、お前は恥ずかしい、みっともない子供なのだと扱われる悲劇がここにあるのだ。

芸能人にとって、子供に障がいがあるということは、スキャンダル、それとも醜聞ですか?人にとって障がいは恥ですか?

(ヴァールハイト及部 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©yuguo peng PIXABAY

【著者紹介:ヴァールハイト及部 1968年 横浜市出身 大学卒業後サラリーマン生活を経て、フリーランスとして、映画・ショービジネス界で仕事をしている。芸能界ウォッチーでもある。】

 

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