
現在、アフリカからアジアにかけて広範囲で大規模な蝗害が発生している。
アフリカのサバクトビバッタが例年になく大発生しており、特にアフリカ各地では蝗害(こうがい)と新型コロナの影響で食糧危機に陥る可能性が高いとみられている。
蝗害・・・大量のイナゴによる食害は何千年も前から人類の文明にとっての悩みの種であり続けている。雲のように空から舞い降り、ほんの数分で農作物を食い尽くす巨大なイナゴの群れは昔から記録に残されるほど、深刻な食糧不足をもたらしてきた。
現代でもなす術がない蝗害だが、ようやく科学技術が追い付きバッタの群れを止めることができるかもしれない、という報告がなされた。
中国科学院動物学研究所の研究グループによれば、昆虫が互いに群がろうとする行動を誘引するために放出する化学物質が4-ビニルアニソール(4VA)として知られる物質であることを特定したとのことだ。
この化学物質がある場所では、イナゴたちはほんの数匹しかいなかったとしても、互いに群れをつくるために動いてみせるほど、強力に作用するという。
そこで、4VAを合成してイナゴの群れをわなに誘い込むか、逆に遺伝子組み換えでこの科学物質にまったく反応しないイナゴを生産するなどの対抗策が期待されている。そして直接的な対処を行った後に非群発性の昆虫を徐々に導入していき、既存の個体群を置き換えることで蝗害を減少・撲滅できるのではないかということだ。
「人類の歴史上、蝗害と疫病、干ばつや洪水は、世界中で深刻な農業と経済的損失を引き起こした主要な自然災害と考えられてきました」と中国科学院動物学研究所の主任研究員Le Kang氏は述べる。
有史以来からの難問に対する解決策となりうるのか。多くの人々が注目している。
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(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Евгений Бывшев PIXABAY