袖切りのバケモン
昔、大山詣の大山道に「黄泉の赤坂」という難所があった。同所には、「袖切りのバケモン」が出るとされた。バケモンのいう通り袖を置いてくれば難はないが、抵抗しておいてこはいと、大怪我をすると言われた。
ある時、捨吉と権兵衛という二人の百姓が、大山道を参っていた。先に参った捨吉は、行き倒れの白骨を無視して登り、半死半生の老人も助けずに登った。すると、老人が起き上がり、「袖をおいてけ」と言い出した。驚いた捨吉は山道で転んで大怪我をした。
一方でゆっくり登ってきた権兵衛は、白骨に草をかけ、おがんできた。既に亡くなっていた老人にも、袖をかけ、自分の傘をかぶせてきた。するとどうだろう。今まで険しかった山道が歩きやすくなったように思えた。
株式会社山口敏太郎タートルカンパニー 山口敏太郎
参考 日本昔ばなし TBS





