
我々の太陽系とは別の銀河から飛来した小惑星「オウムアムア」。葉巻型をした小惑星で現在は既に太陽系からも遠く離れたところへ飛んでいってしまっているが、現在もこの奇妙な天体に関する研究は継続して行われている。
先日、新たな研究によりオウムアムアが非常に珍しい物体であった可能性が出てきた。
イェール大学のダリル・セリグマンとグレゴリー・ラフリンにより提出された論文によれば、オウムアムアはただの小惑星ではなく「水素が氷となったもの」であった可能性があるという。
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水素は宇宙で最も豊富な元素であり、大半が気体で存在しているため固体で観測されることはほとんどない。気体が個体へ変化するのを昇華と呼ぶが、セリグマンによれば水素が凍る温度は約-268℃で、これは絶対零度(-273.15℃)とわずか数度の違いしかないほど低い。
現在、宇宙空間で昇華が起きるほどの低温であることがわかっている場所は、巨大な分子雲の中心部だ。分子雲の中心部分には核が存在するが、数十万年ほどで消滅する。しかしこの核が存在している間に水素と分子雲内の塵が結びつき、やがて巨大な氷の塊へと変化していったものがオウムアムアである可能性が高いという。
オウムアムアが太陽に近づきながら加速した理由もこれで説明がつくとのことである。
「私たちは 『オウムアムア』の奇妙な特性のすべてを説明する理論を新たに提唱しました。水素氷は新しいタイプの物体ですが、今後さらに同様の物体が多く発見される可能性もあります」と両氏は述べている。
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First Interstellar Asteroid Wows Scientists
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)