白い光る玉の目撃談

投稿 yy kobさん

今から30年ほど昔、小生が17、8才の小僧であった冬。二階の自室で眠っていた所、夜中に不図、目覚め何気なく庭を見下ろしてみると、白くて光る玉が、自宅前を通る国道を、ぽーんぽーんと、跳ねながら横断して来ました。

白い玉は、ほんのりと薄化粧したように光っており、向こうは透けていません。一瞬、「こわっ」と思って、窓枠に身を隠しましたが、気配を探ると、別段、危ない物ではないという気がして、観察する為、窓を開け、身を乗り出して、白い玉を確認しました。

昔、ドリフで巨大な風船を膨らませるコントがありましたが、形状は、丁度、ああした感じで、風船の中に電球を仕込んだような作り・・・なのですが、光源が不明で、中に電球があるとは、考えられない光り方をしていました。影や照り返し(アンビエントオクルージョン)がないのです。玉は、粒子の塊のようで、その粒子ひとつひとつが虹色に輝いている・・・とうてい現実世界のものとは思えない光りかたをしていました。




あまりに不思議で、しばらく見入っていると、光りの玉は、観察者の存在などはお構いなしで、生垣の向こうに転がって隠れてしまいました。

我が家の生垣には、ホームセンターなどでよく見かけるのぞき窓のついたブロックが一定間隔で設えてあり、その隙間からも、玉が転がってゆく姿が垣間見えました。

慌てて、階段を駆け下り、玉の転がって行った先(自宅の裏の畑なのですが)を確認しに行きました。そこには、山間の村の闇が広がっているだけでした。しばし、唖然とした後、何だったのか考えめぐらし、不図、浮かんだのが、「龍の宝玉」でした。

以下、土地の伝承などです。

丹波篠山は六甲山系の終点に在し、我が家は武庫川の始流の村にあたります。この始水地には、寺があり、創建は645年、創健者は丹波道造命となっており、この道造命には、竜退治の伝承が伝えられています。

寺の名を「龍蔵寺」。退治た龍の宝玉を蔵した寺と伝わっており、母子(もうし)の永沢寺には、関連は不明ながら、龍の頭骨が秘仏として安置されていると聞きます。

そうした知識は成人した後に調べた事ですが、当時、なぜ、「龍の宝玉」と思ったのかをお話します。

子供の頃、丹波杜氏の元締めをしていた爺様から、水は命であり、水の守り神は龍であり、龍の玉は、龍の魂だと教えられていました。

高校を中途退学した私は、両親が共働きであった事から昼間、寺に預けられていました。このお寺は、龍蔵寺とは別の寺。寺格を与えられたのは、明治政府が戸籍制度を設ける際に利用したのが始まりで、それ以前は、京などから尼さんがお篭りする小庵でした。この小庵にも、一考すべき事柄はあるのですが、今回の一件とは別なので、ひとまず割愛させていただきます。

この寺の名を「円心寺」といい、南の山に龍蔵寺、北の山に円心寺、両寺を結んだ直線上に我が家がありました。光りの玉は、丁度、その線を南から北へ転がっていったのです。

円心寺に預けられて3ヶ月ばかりして、寺の奥さんから、「そろそろかも・・・」といわれ、何がと聞き返すと、「見えるようになるかも」という返事でした。

実際は、見えた事はないのですが、聞こえるようになってきました。金縛りがはじまり、解き方も分かって来て、怖さにも慣れた頃、いつもの解き方、(私の場合は、小指からじんわりと力と意識を身体の中心へといきわたらせてやると解ける。金縛りになりたければ、仰向けで横になる。始まりは耳から何か入ってくる感覚、次いで耳鳴り)を試しても、ダメで今日はやけにしつこいなぁ・・・なんて思っていると、急に耳元で、気配がしました。




「龍、呼んだげよっか・・・?」

女性の声でした。

私は、一刻も早く尋常ではない状態から逃れたくて、「いや、いい」と返して、布団に頭を隠しました。

龍の力を身につけてしまう事の責任が恐ろしかったのです。当時の私の頭では、人の生き死にを決めてしまえるような力だとの感覚でした。

すべては、一瞬で、後は、何事もなかったような夜の静寂。この経験と、光りの玉を結びつけたのでした。

いつぞや、敏太郎先生が光りの玉の近くには、大体、光源があると仰っていたのを思い出し、確かに、私の場合もそうだなと思いました。

一応、参考程度に、当時の光景を絵にしてみましたので、ご覧下さい。画像の明るさを調整してもらえれば、光りの玉の上から別の光りがさしているのがお分かりいただけるかと思います。

そこには、モルタルを塗った黒い電柱が立っており、中ほどに、外灯があります。後に、光電球現象といわれるものが、山間部では稀に起こる事を知りました。しかし、あまりにも近くで(大体10メートルほど向こう)、しかも眼下に見たので、類似する目撃談など思い当たらず、未だに謎ですので、ご報告させていただきました。

ちなみに、現在、上記したような怪現象には、まったく無縁となっています。それというのも、耳が壊れてしまったからです。

もう、16年ほど、ずっと耳鳴りが続いており、怪現象のきっかけを感じ取れなくなってしまいました。

草々

(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

テキスト&画像©yy kob

 

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