
6月2日未明、CS局の「東映チャンネル」で7月放送開始予定だったアニメ『アパッチ野球軍』が急きょ中止、別番組の『人造人間キカイダー』に差し替えられると発表があった。
『アパッチ野球軍』は東映アニメーションが製作したアニメで、1971年10月6日から1972年3月29日まで全26話が放送された野球アニメである。
物語は、過疎の村で不良少年たちに野球を教えるためにやってきた青年・堂島剛を主人公に、閉鎖的な村社会で行われる村長選挙や、また村で行われているダム工事や、村の住民たちとその息子たちのリアルな人間関係を描いた、子供向けとは思えないくらいの異色の野球アニメであった。
今回の放送が中止になった理由は現状では不明である。
なお、本作は1971年の本放送以降、再放送が行われる機会が少なく「幻のアニメ」とされていたが、2002年に入り限定生産でDVDボックスが発売されている。
しかし、DVD発売からおよそ20年が経過し、現在はプレミア価格(新品は10万円近い値段)となっていて、またしても万人が見ることが叶わない、視聴困難な幻のアニメと化しているのである。
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なお、これまで再放送が困難だった大きな理由として、差別的な表現や台詞が多く含まれていたことからも、前述のようやくDVD化された際には「表現やせりふの一部に、今日では不適切と思われる個所がある」が、「作品の歴史的価値を重視し、オリジナルに忠実に収録された」と説明されていた。
このことからも、今回の東映チャンネルでの再放送は、この番組のテレビ再放送をずっと待っていたファンや、これまで見たことがない人が非常に楽しみにしていただけに、何故、放送できなかったのかとても気になっているようである。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『アパッチ野球軍 DVD-BOX』