日本の女性アイドルグループは、現代の巫女なのか?

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日本のアイドル人気は衰えないままである。新しいアイドルグループも続々デビューして、アイドル戦国時代はより激しくなっている。

日本で女性アイドルグループが人気であり続ける理由の1つとして、巫女的文化が関係あるという説がある。

神様からの神託を得る存在である巫女には、「穢れがない、心身ともに健康な女性」が求められた。穢れがなく健全な女性……これは日本の大多数のアイドルファンが、アイドルに求めているイメージと一致していると言っても良いだろう。

その神社によって、また時代によっても、巫女に選ばれる条件にはいくつかの違いはある。

神社によっては「処女であること」が条件という場合もあった。さすがに現代では巫女に選ばれる前に「処女であるかどうか」を確認するようなケースはほぼ無いだろうと思われる。ただ筆者の友人で八年前に、アルバイトである神社の巫女をやった女性がいる。彼女は、バイトに受かった後に「バイト期間中は、性的行為などはなるべく控えるようにしてほしい」といったような話をされたという。




また、「茶髪や金髪の人は採用しない」「ピアスは禁止」といったルールのある神社もあるようだ。こういった巫女に求められている条件は、日本の女性アイドルが守ろうとしているルールと驚くほど被る。

この国は、昔から女性に特別な神秘的な力を求め続けていたのだ。


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もっとも、女性に神秘的なものを求めているのは日本人だけではない。例えば、世界の多くの国で「聖母マリア」に会ったという奇跡体験を語る人たちがいる。聖母マリアが残した「ファティマの預言」の話を聞いたことがある人は多いだろう。

カトリックの総本山であるバチカンが公式に認めているマリアとの遭遇体験は22件。もちろん、マリアと遭遇したという話自体は他にも数多く存在している。正確な数は分からないが、マリアとの遭遇体験は、数千件は起きているのではないかとも言われている。

その一方でイエス・キリストを目撃したという話はかなり少ない。何故キリストではなく、マリアの目撃のほうが世界中で多いのか?

その理由については諸説あるだろうし、私も「これが答えだ」と自説を発表することは出来ない。ただ、神秘的な女性を求める気持ちは、イエス・キリストを神として崇めている人々にとっても強いものであろうとは考えられる。

しかし、こういった人間の心理は、女性が世界から大事にされてきたという話に繋がるわけでもないと筆者は考える。
良い意味でも悪い意味でも、世界の多くの国で、女性は特殊なものという考えがあったのではないか。

日本のホラー映画に登場する幽霊は明らかに女性のほうが多い。大昔から描き続かれてきた幽霊画に関してもそうだ。また日本に古くから伝わる妖怪も、〇〇婆や〇〇女といった名称の存在は、〇〇爺や〇〇男と比べても多い印象がある。

社会を動かしているのは男性である場合が多く、そうなると基本は男性視点で物事も考えられるようになっていく。そのため、男性がスタンダードであり、女性は良い意味でも悪い意味でも特殊な存在として表現される機会が多かったのではないか。

アイドルの話に戻せば、アイドルはもちろん女性だけではない。男性のアイドルだって存在している。ただ結婚後もアイドルとして活動を続けられているのは男性のほうが多いとは思う。男性アイドルは巫女的なものとは違ったルーツを持っているのであろうか?

多くのアイドルが活動している現代日本。アイドルに求められるものの幅も広くなってきたのを感じる。いわゆる処女性などを求めないファンも多くなってきている。また特別な存在であることよりも、ごくごく普通の女性らしさ(庶民的なもの)が魅力として受け入れられたことで人気者になったアイドルも多い。黒髪のアイドルが人気であることは変わらないが、金髪やピアスを付けたアイドルの数も増えてきている。

確かに、日本のアイドルと巫女的文化には関係もあったのかもしれない。ただ、時代が変わり、人々がアイドルに求めるものも変わってきているのだろう。

今も日本で一番人気があるアイドルグループといえば、AKB48グループということになるだろう。

既に卒業して、現在は女優として活躍しているが、このグループでもっとも「正統派アイドル」とされてきたのが、渡辺麻友だった。そして、渡辺麻友はファンから「アイドルサイボーグ」とも呼ばれていたことがある。(このアイドルサイボーグという言葉は彼女だけが呼ばれたわけではない。渡辺以前以後も、時折このように呼ばれるアイドルは現れている)

ある種の人間離れした部分を持つ少女こそ、正統派のアイドルらしいアイドルであったのかもしれない。ただし、渡辺の場合、テレビやグラビアなどでは確かに「アイドルサイボーグ」だったのかもしれない。その一方で、ラジオなどでは「人間・渡辺麻友」としての一面を晒していた。

正統派アイドルらしさとは相反する魅力で絶大な人気者になった指原莉乃は、プライベートや楽屋裏で見る渡辺麻友の面白さを絶賛していた。そして今の時代、アイドルサイボーグよりも、素の渡辺も時には出していったほうがより大きな支持が得られると思っていたのではないか?

ラジオなどで共演した際に、指原は渡辺に「素の面白い部分」をもっと出せばいいのにとアドバイスしていた。それでも、渡辺は、テレビなどでは、「アイドルサイボーグ」として、どこか非人間的な魅力を持つ正統派アイドルのまま、アイドル活動を全うした。




興味深いのは、アイドルには不思議体験をしている者も多いということだ。

例えば、元モーニング娘。の安倍なつみは、北海道でキリンを目撃したことがあると語っている。橋本環奈は小さいおじさんの目撃体験を語っているし、元AKB48の高橋朱里は幼い頃に天狗を目撃したことがあるらしい。また、武田玲奈のグラビア撮影中のオフショットには、まるでモスラのような不思議な生物が写り込んでいたこともあった。

他にもアイドルのブログやラジオ番組ではUFOや心霊との遭遇体験が語られることは非常に多く、オカルト関係者にも見逃せないものとなっている。現代のアイドルにも巫女に近い力があり、それが多くの不思議体験へと繋がっているのだろうか?

最後に、筆者が最近注目している不思議な存在の話を1つ紹介して、この記事を閉じたいと思う。

筆者の友人である加藤茂樹くんは、中学生の頃から、霊や小さいおじさんを頻繁に目撃するようになり、不思議な体験をすることが多い。そのため、筆者もよく取材をさせてもらっている。

昨年、彼の家に泊まらせてもらった時に、筆者はたまたま放送していたAKB48が出演するバラエティー番組を観ていた。アイドルには関心がなく、AKB48のメンバーのこともほとんど知らない加藤くんは、テレビを見て驚きの表情を浮かべた。

数日前に加藤くんは、不思議な生物を目撃していた。それは身長70センチほど、全身が黄色の恐竜ティラノサウルス(ただし目玉は異様に大きい)のような姿をしていた。そして、その怪物の頭上には10センチにも満たない大きさの少女(その背中にはトンボのような羽根も確認できた)が座っていた。

そして、その少女の顔は、AKB48のメンバーである武藤十夢さんそっくりであったと言うのだ。

やはり、アイドルは異界の扉を開く神秘的な存在なのかもしれない。

(中沢健 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

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