
NASAが公開している探査機や探査衛星の撮影した画像の中には、奇妙なものが写りこんでいて話題になる時がある。
今回注目を集めている画像は、2006年に打ち上げられ現在も運用継続中である太陽観測を目的としたNASAのSTEREOミッション(太陽地球関係天文台)で今年2月に撮影されたものである。
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STEREO AheadのHI2望遠鏡がとらえた太陽表面の画像には、4本のスポークが付いたホイールに似た奇妙な物体の姿が写っていたのだ。この画像がネットで話題になると、「この異常な円形のオブジェクトはUFOである」と言い出す人も出たが、今回はNASAが素早く動いた。
Many doubts about this video: a huge UFO spotted in our solar system by STEREO camera in the last ten days of February? Nope, that object is a recurring image artifact caused by internal reflections of a planet. pic.twitter.com/38gqImaxoA
— ufoofinterest.org (@ufoofinterest) March 7, 2020
NASAは公式のウェブサイト上にて、この謎の円盤状の図形の正体は金星が写りこんだものだと見解を発表したのだ。しかし、どうして太陽の表面に金星が写り込むのだろうか。
NASAは次のように語る。
「奇妙に思える幾何学的なこの物体は、実際には望遠鏡の光学系内で発生したもので、金星の光が内部で反射したことによるものです。金星は太陽の光を受けて非常に明るく輝きますが、この光がHI2-Aの視野に入ると検出器が反応して写りこんでしまうのです。検出器からみてほぼ正反対の位置に金星があることに注意してください。これは偶然ではありませんし、この現象は以前から何度も確認されていました」
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©NASA