
エクアドルにて、「南米イエティ」と名付けられた化石が発見された。
この生物は山に住み、爪が車と同じサイズまで達する可能性があるもので、このたび古生物学者によって新種の古生物の化石だと認定された。
「南米イエティ」の正体は巨大なナマケグマ(学名Oreomylodon wegneri)であり、エクアドル中北部の海抜2,500メートル以上の山に住んでいたという。
この生物の体重は約1トン、高山の低温環境での生活に適応した巨大な鼻と爪を持っていた。絶滅した巨大な生物として有名なものに、南米で化石の発見されている巨大ナマケモノのメガテリウムがいる。
今回発見された巨大ナマケグマは巨大ナマケモノよりも鼻が広く、乾燥した空気を濡らし、息を吐きながら湿度を維持できるため、より高地の環境に適応できていたと考えられている。
また、ナマケグマは非常に発達した嗅覚を持っていたため、オスとメスの相互交流が容易になり、広範囲にマーキングができた可能性があるという。そして、草食性で古代の人類に狩られていたとも考えられるとのことである。
エクアドルのキト工科大学の古生物学者であるホセ・ルイス・ローマン・カリオン氏は「10,000年前、これらの遺跡が見つかった山と谷の地域には牧草地がありましたが、気候は現在よりも6から7度寒かったと考えられています」と語る。
2008年に首都キトにて3頭の成体と1頭の子供の化石が発見された。ローマン・カリオン氏は「同じ場所で3匹の動物が発見されたことで、彼らは群れを形成していたと考えられるようになりました。これはすべての陸生ナマケグマにとって新しい発見です」と語る。
複数体発見されたこと、そして比較的骨が揃っていたことから、生前の姿や生体を捉えることが可能になったそうだ。
なお、この巨大ナマケグマは10,000年前の氷河期に起こった気候変動によって絶滅したと考えられている。
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Palaeontologists from Argentina and Ecuador presented a “Yeti” of more than 10,000 years ago
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニーミ ステリーニュースステーションATLAS編集部)
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