【昭和放送事故】「獰猛アニマルが逃げ出した!」都民大パニック!

1952年(昭和27年)8月30日の朝日新聞朝刊に珍しいタイプの放送事故記事が掲載されている。

「臨時ニュース ゴリラが逃げた! 都民びっくり」という見出しのこの記事は、ラジオ番組のフェイクニュースがホンモノのニュースと勘違いされ東京全体を大パニックに招いた珍事を伝えている。

このことが新聞に載った前日の8月29日、午後のお昼下がり日本文化放送(現:文化放送)の演芸番組にて、当時の人気落語家である鶯春亭梅橋作の立体落語(舞台の上でお芝居のように演じる落語)「あゝ世は夢か幻か」が放送されていた。

やはり東京五輪は呪われていた…




当時、梅橋は日本文化放送で多くのレギュラーを持つ超売れっ子であり、本作「あゝ世は夢か幻か」は当時人気のあるキャストが大勢出演するなど、まさに放送局をあげての一大イベントであった。

しかし、つい手が込みすぎてしまったのか、劇中に流れる臨時ニュースをホンモノそっくりに作ってしまい、このことから番組を聞いた視聴者がパニックになってしまったのである。

そのニュース内容というのが「ここで臨時ニュースをお伝えします。国技館で開催中のジャパンサーカスの人気ゴリラのリルが逃げ出しました。四谷方面に向かったようですが、見つけた方はご連絡を……」という台詞を実在した当時の文化放送のアナウンサーが喋り、そして臨時ニュースのチャイムをそのまま使ってしまったことで、この落語を信じてしまったリスナー大勢が「東京都内をゴリラが暴走している!」と勘違いしたのだ。




今また騒がれ始めたイルミナティーカードの東京五輪

各新聞社やラジオ局、そして何故かNHKにも問い合わせが集中した。

なお、臨時ニュースのチャイムは報道以外の用途には利用してはいけないというルールがあることから、このたびのことはルール違反ということで番組プロデューサーをはじめ関係者は責任を取らされたという。

終戦(1945年)からわずか7年後の1952年のこと。日本のラジオ放送はなかなか挑戦的な企画が行われていたのだ。

(文:穂積昭雪 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Rudy and Peter Skitterians PIXABAY

 

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