あの名女優Cが壊れた…楽屋で楽しく談笑していたはずなのに 

名女優Cの少し哀しい話である。

Cは全盛期には映画や舞台に主演、誰もが知っている国民的女優の一人だ。30歳半ばを過ぎたあたりからテレビへと活躍の場を移し、連続ドラマへレギュラー出演するなど、長年に渡って出演した名女優だった。

ところが、そんな名女優と呼ばれたCもまた寄る年波には勝てず、後年出演した舞台ではCの世話をする事務所スタッフは毎日のように悩まされていたようだ。

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Cの老人性痴呆症が進行した頃の話である。この時は日本橋の舞台に出演していた彼女の楽屋に毎日のように面会の来客がやってきたことがあったという。

Cは来客とのお喋りをとても楽しんでいるようで、楽屋から明るい笑い声が漏れてくるほどだった。

しかし、ある日のことである。その日はCまで面会予定などは特になかったはずである。打ち合わせに訪れた舞台スタッフは「あれ?今日は来客の予定はないはず?」と訝りながらもCの楽屋まで入室すると、なんとそこには彼女の姿しかなかったのである。

「C先生。今、誰かと電話で話していたんですか?」

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とスタッフが伺うと、Cは睨みつけるように、

「何言ってんの。目の前にB先生がいるじゃないのよ!あなたの目はどうかしてるの?」

と一喝したという。

彼女の語るB先生とは、戦後の有名作家で、その時にはとうの昔に鬼籍の人である。

「ホントにごめんなさいね、B先生」

と語るCの目の前には、猿のヌイグルミがポツンとひとつ置かれていたという。

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言いようもない異変を感じたスタッフは、すぐさま舞台監督に今起こった出来事を話すと、その後Cの自尊心を気付つけないように上手く取り計らい、舞台を降板してもらったという。

Cはその後もB先生だと思い込んであるその人形を肌身離さずにいたという。そしてCの最期の日、お棺の中に人形と一緒に荼毘され、天国に旅立っていったという。

(若葉イチロウ ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

画像©Rupert Kittinger-Sereinig PIXABAY


 

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