【人怖話】病的な虚言癖女子のU子さん

投稿 タマリンさん

本日はちょっと長いですが、病的な嘘つき女子のお話をします。

そのビョーテキさんを仮にU子さんとします。4年ほど前に知人から紹介されました。U子さんは知人の勤める会社で派遣社員として働いていた自称30代の女性です。知人とU子さんは同じ部署で、また同じ歌手のファンであることから親しくなったそうです。

見た目も言葉遣いも特に変わったところはなかったのですが、派遣社員をしていることについて「本当は大学を卒業するときに大手企業に内定していたのを蹴って、あえて不安定な身分に自分を置いている」と話していました。なんでも、「そういうことができるのは若い時だけで、その経験を生かして次はフリーランスの仕事をやってみたい」と言っていました。私は『今でもある意味フリーランスじゃないの?』と思いましたが、そのときは言葉には出しませんでした。

日傘をさしていた着物姿の女性が… 




その後、知人と会ったときに「U子さんは元気?」と聞いたところ、知人は急に困ったような表情になり、詳しい様子を聞かせてくれました。なんでも、部署の誰かが「連休にディズニーに行った」という話をしたら、U子さんは「私はアメリカのディズニーが好き、あっちの方がだんぜんいい」と発言したそうなのです。

また知人と仲の良い別の友人が「いま彼氏が今ヨーロッパに出張中なんだ」と言っているのを耳にするや「自分の婚約者はMBA取得のため企業留学でアメリカに行っている」と横から参入したそうです。知人はU子さんに婚約者がいたと初めて聞いて度肝を抜かれたと言っていました。

また、職場でだれかの実家が医者だと話していると、U子さんは聞かれてもいないのに「自分の家も医者、両親とも医師」と言っていたらしいのです。もちろんそんな話は初耳。しかもU子さんの兄は反対を押し切って弁護士になったとか・・・。また、「自分は幼稚舎からK大学付属」だとか、「幼稚舎に入るまでずっとお手伝いさんたちとだけ過ごしていたので初めて同世代の子どもたちを見て緊張した」とか等々・・・。

その時はなんの確証も取れていなかったので、嘘とも真実とも言えませんでしたが、U子さんの話の内容と切り出すタイミングが実に挑戦的で社内であまりよろしくないムードを作っていたとの事でした。

その次にまた知人と会った時、私はワクワクしながらU子さんのその後を聞きました。しかし知人からの返事は「あれからすぐにあっさり辞めてしまった」ということでした。本当になんの前ぶれもなくだそうです。辞めた理由というのが、「強いて心あたりと言えば・・・」と知人が話してくれたのは以下のような話です。

繁忙期、その企業では短期のアルバイト学生を投入するそうなのですが、ある日、ロッカールームで知人も含めて正社員派遣社員に混じってアルバイト女子学生グループがにぎやかに雑談をしていたというのです。中心で話していたのは男性社員たちの間でにわかにアイドル的存在となっていた美形女子でした。話題は今までやったアルバイトについてだったそうです。

「あたしキャバ嬢やったことあるよ」

美形女子の発言に一般女子たちもキャーと反応します。「私もやったよ」「実は私も」という声も他の子たちからチラホラあがります。そんな中で『へー、みんななかなかやるなあ』と知人は聞いていたそうです。

「でさあ、キャバ嬢やってて、マネージャーから『アルバイトしない?』って言われたことない?」
「えー、なにそれ?」
「『一晩パーティー出てくれたら30万払うけど』って言われたの」
「ええー、スゴーい」
「ああ、知ってる、すっごく綺麗な子がそういうの言われていたわ」
「◯ちゃん綺麗だからね」

そんな感じでロッカールーム女子トークが盛り上がっていた時です。

「私も100万の仕事、頼まれたわ」

突如、そう言い放ったのはU子さんでした。そして続けて、

「私の場合、キャバクラじゃなくて会員制のクラブなんだけど。外国からの政治家とか投資家の接待ができるような。英語とフランス語ができるっていうことでね、頼まれたわ」

その話を聞いていた一同、ポカ~ンです。そこにいた殆どの人間はたぶん『その顔で?』と思ったことでしょう。このように突っ込みどころが満載すぎて一同身動きできない状態だったといいます。

そして、その沈黙状態の均衡を破ったのは美形女子でした。




「でもそのバイト、結局売春だったんですよお。先輩がこっそり教えてくれたんで、私はもちろん断ったんですよお。違うんですかあ?」

するとU子さんは顔色一つ変えず、

「私のところはキャバクラとは違うから。パーティに出てハイクラスな話ができないとダメだけど、そういうお相手をする役だったわ。ドレスとか話題の準備のためにコーチの人についてもらって、その料金がとても高いんだけど、自分の 教養にもなるから私はいつもお受けしているの」

知人はこの不毛な会話を聞いていて、遂にはいたたまれなくなったと言います。どっこい、U子さん本人は平気でそのまま派遣の仕事は続けていたそうです。そして辞めたのはごく最近。理由はよくわからないそうです。

しかし、裏の取れている嘘(たとえばK大出身というのはある筋から明らかに事実無根であることがバレている)に嘘を重ねてきたことで身動き取れなくなり、そのうち誰かツツかれる前に遁走したではないか、というのが知人の見解でした。

ただし、私個人的には、U子さんという人は病的な嘘つきというよりは、病的な負けず嫌いなのではないかという印象を受けたのでした。

(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Stefan Keller PIXABAY


 

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