アパ―トの白い影・私の親友の命を奪ったもの 

投稿 元葬儀屋さん

この体験は私が大学に通っていた時の私自身の体験で霊が生きている人にとって生死に関わる影響力を持っている事に嫌でも気が付かされたと言う体験談なのです。

私は関東の大学に入学し、入学式オリエンテーションで私の前に並んでいたのが後に私の親友となるR君なのです。私は入学当初はRの隣の家に下宿しており、次の年にRの住んでいたアパートの1階に引っ越しをしたのです。

そのアパートは8世帯ほどの規模のアパートで木造二階建て全ての部屋が1Kの風呂無しで、二階は共同入り口の共同トイレで二階の階段、廊下はギシギシと音を立てる立て付けの悪い廊下が各部屋へ続き、廊下の照明はカンデラ電球(巷では殆ど見る事ができない10W以下のスモール電球)が付いているというお粗末な環境でありました。

大学二年目を迎えた夏休み前の事だったと思います。或る日、私は親友Rの部屋で他愛のない話をしておりました。私と友人はギターが好きでRの部屋のカセットテープレコーダーからはいつも知らないギターリストの曲が流れていた記憶があります。

その日はとても暑い日で扇風機しかないその部屋の入口ドアは10センチほど開けっ放しにして風邪の通りをよくしておりました。二階の廊下は各部屋に続き窓が少なく夕方ともなると外が暗くなる以上に暗い廊下になっておりました。そのアパ―トの殆どの住人は同じ大学に通う大学生の様な記憶がありますが、Rの部屋に滞在している時には誰一人としてRの部屋の前のギシギシの廊下を通り過ぎる人はおりませんでした。

驚くほどアパートの二階の入り口から二階の階段、そして二階の廊下を移動するときはギシギシと音が鳴り響くので誰かが来るとすぐに分かるのです。

六畳の部屋からは薄暗くなった廊下の様子が入り口ドアの10センチ程度の隙間からいつも私の視界に入って見えており、そろそろ暗くなってきたから自分の部屋へ戻ろうかと考えて始めたその時でした。入口ドアから廊下が見えるその10センチほどの隙間から見えている暗がりの中を白いものがユラリと一瞬見え、だれかが入り口ドアの向こうに居ると感じ、すぐにRに「今入り口の隙間から白いものが見えたぞ」と、声を上げて言いました。




扉の向こうを見に行くもののそこには何の姿もありません。ギシギシの廊下を誰かが移動すればすぐに音で分かるので廊下も階段を移動する何者も移動した形跡もありませんでした。私とRは顔を見合わせましたが、それ以上何も追及する事は無く私は自分の部屋へ何事も無かった様に戻りました。

次の朝、大学へ徒歩通学していると後ろからRがやってきて妙な事を言い始めました。

「昨晩、寝ていると金縛りにあってしまった」と私に話してくるのです。

私はそう言うRの訴えに世間話の冗談くらいに聞き流してしまいました。また次の朝の事、大学の通学路で親友Rが私に近づいてきて言うのです。

「昨晩もまた金縛りにあった、昨日は一昨日の金縛りの経験上、仰向けに寝ていると危険なので壁の方を向いて寝ていたんだ、すると誰かが俺の背中を何度も押してくるんだ」「そのせいで殆ど眠れなかった」、そう言うのです。

親友の訴えにどういうリアクションを取って良いのか分からずに単なる世間話しなのだろうと聞き流してしましました。今から考えると、そのRの悲鳴は私の理解を得られずに、その後は彼は一人で悩み続ける事になったのだろうと推測してしまうのです。

私と親友Rはアルバイトで家電売り場担当でアルバイトをしており、ある時に社員にこう言われたのです。

社員 「R君、最近顔色悪いね、何かあったの?」
私  「そうですか?いつもと変わらないと思いますけど」

私は社員の問いかけにそう答えましたが、なにか嫌な感覚を感じておりました。その後さらにRに変化が現れたのです・・。

Rは万引きを繰り返すようになったようで、それを見た私は止めるように何度も注意をしたのを覚えております。以降、万引きを繰り返すRとは無意識に少し距離を置く様になってしまいました。しかし、夏休み前の試験シーズンになりRの部屋の真下の住人、A君の部屋に5人で集まり試験勉強をすることになり、そのメンバーにRも入り一緒に勉強を始めたところ私はその部屋で妙なものを発見したのです。

私 「A君、あの天井と壁にまたがって貼ってあるお札って何?」 「あれはA君が貼ったの?」
A君 「あのお札は、この部屋に入居した時にはすでに貼ってあったよ」

なんの疑いもなくそう返答してきたA君に私はそれ以上その件について触れることは失礼と思い追及をすることを諦めました。

しかし・・・壁と天井にかけてお札を貼るなんて、どう考えても不自然な事だろうし、いったいなんのお札なのだろうか、どう考えても前の住人がその部屋を引き払ったら普通管理人はお札を剥がすはずだろうし、そのお札を剥がせない理由ってなんだろう。私はそう考えましたが、翌日の試験対策でその後コンビニに大量のコピーしに行ったのでありました。

結果的に試験には惨敗して、試験期間が終わった夏休み直前、私はその怪しいアパ―トから引っ越しましたが、次に引っ越ししたアパートも怪しいものでした・・・その事はまた別の機会に。引っ越しした後に大学は夏休みとなり、私は故郷に帰省しました。

親友Rはどうなったのだろうか・・・心の片隅に思いを残しながらも私は故郷でアルバイトに励んでいたそんな或る日に一報の電話が入りました。それは別の地域に帰省していた大学の友人Sからでした。




その内容は衝撃的でした。

友人S 「R君が亡くなった・・・・」

その言葉を聞いて驚きまましたが、その内容を聞いて私は何か奇妙な感覚に襲われました。Rは数人でレンタカーで交代で運転し旅をしている最中に、Rに運転を交代した直後に何事もない直線で車は横転し、彼だけが即死してしまったと言うのです。

私は故郷の友人につきあってもらい親友Rの故郷に向かいました。途中にRの住んでいたアパートに立ち寄り事故の経緯を聞きたかったのですが、事故車に同乗していた大学の友人はショックを受けていたことで話を聞く事はできませんでした。

親友Rがかつて住んでいたアパートを後にし、彼の故郷へ向かいました。到着した時にはすでに日が落ちておりましたが親友Rの実家でご家族様にお会いしてご焼香し帰路に着きました。

Rのアパートで起きた白い物体の存在、アパートの下の住人の妙なお札、Rの不信行動、万引き等の話はRのご家族へはお話しせずに私の心の中に留めることにしたのです。

そして、夏休みも終わり衝撃の事件も落ち着きを取り戻そうとと言うときにRの住んでいるアパートの過去の情報をついに聞き取りすることができたのです。

その内容とは、Rの住んでいたアパートは過去に二階の住人が二人死んでおり、その内ひとりであるR君の隣の住人の死因が不明との事らしいのです。つまりRの部屋の隣の部屋の住人とその隣に住人が亡くなっており、そして今回、親友Rが亡くなってしまい、過去から現在までに二階の住人の殆どがなにかしらの理由でお亡くなりになったと言うことになります。

不可解に程があると思いつつ・・・時は流れた或る日の事です。Rの実家より手紙が届きました。中には彼のお姉さんから手紙とお守りが同封されておりました。

些細な金縛りから死に至ったと確信したのはその後に数年経ってからの事です。故郷の知り合いが事故が起きた道路を通らないと通勤も帰宅もできない環境で車を使用しており、夜遅くに帰宅する際にその事故現場を通り過ぎる時に気を失いそうになり、帰宅時何度も道路の側面の崖に突っ込みそうになっていると相談を受けました。

「事故者の霊の影響の可能性があるからシフトノブに数珠を巻いておけ」程度の事しか言ってあげれませんでした。その後、相談してきたその知り合いは帰宅時に車を運転中に気を失い、崖に激突し車を全損したと言う事を聞きました。

話を聞いた時に私の頭の中に思い浮かんだこと、それは大学時代のRも車の運転中に霊に憑依され気を失ってしまったのだと結論に至ったのです。

その後、私は当時親友Rの部屋のカセットテープレコーダーからいつも流れていた知らないギターリストの曲のテープを当時もらった記憶が蘇りました。

そのテープはどこを探してもどこにも無く、どうしても親友Rの部屋で流れていた曲がもう一度聞きたいと思い、調べに調べたところ、『プリズム』の「サイクリング」という曲でした。そのアーチストの曲は今でも大手スーパーチェーン等の店内で流れるほど有名な曲で、ときどきスーパーマーケットでその曲が偶然にBGMで流れると親友Rと過ごした当時の事を思い出します。

現在の私だったら当時の親友Rの金縛りを助けてあげられるような気がします。

(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©すしぱく PAKUTASO


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