「ボウズ、ボウズ」と呼びかける声が聞こえる…山中の門のある家

投稿 ソウソクさん

これは飯能もしくは秩父地区で起きた話です。ある夏休みに私の団で、とある山村にある宿坊施設を5日間程お借りして登山などを体験する合宿のようなものがありました。

宿泊しているお寺の周囲にもなれた3日目の夜、「夜間追跡ハイク」というイベントを行いました。これは夜に行うオリエンテーリングの子供版なのですが、要は肝試しです。ただこのとき、隊長の説明では恐い仕掛けは何も無いとのことでした。

1班数人で懐中電灯を頼りに順番に出発し、毎朝ラジオ体操を行う広場へ向かうように指示されて向かいます。

すると何処からか「ボウズゥー、ボォウズゥー」としわがれた不気味な声が聞こえてきます。この「ボウス」が自分達を指しているのだということは明白ですから、その場の全 員が軽くパニックになります。

途中で折り返し地点があり、そこに待っている「リーダー」に次の順路へ進むにはここでUターンして(スタート地点を行き過ぎるように)戻るように指示されます。

しかし素直に戻るとまたあの気持ちの悪い「ボウズー」の声が聞こえそうなので皆で嫌がります。中には「リーダー」に騙されているんだ!と力説する隊員も出てくる始末。




結果的にその付近で、皆の行動が行き詰まるので流れが溜まってしまい班編成も順番もグチャグチャです。

「リーダー」との押し問答の末に仕方なく「ボウズー」を聞く覚悟をして次の順路に向かうのですが、その声はどうやら通りの向こう側に1件だけある 民家から響いているような・・・気がしつつも皆ダッシュで駆け抜けます。

スタートしたお寺を通り過ぎその後、山道(とは言っても未舗装ですが車の轍があるような)を登り始めるのですが木々の隙間から古い大きな民家が見えます。この山道も昼間のうちに何度か通っていたので民家があるのは承知していたのですが、何か様子が違うのです・・・

民家といっても見えるのは門です。門の造りは詳しくないので表現が拙くなりますが、いかにも昔の庄屋さんといった雰囲気の大きな門が2~30メートル程先に見えます。この門の前をスクーターが通っていたのを昼間のうちに見ているので、たぶん 木々のすぐ向こう側に通りがあるのだと思います。

今、門は左側が開いており両脇にある大きめの提灯には灯が灯っており光源は電球ではなくロウソクのようです。その開いている先からは光が漏れています。

それは紫色の光。紫が明るくなったような、紫白いといいますかそれでいて眩しさの無い光が漏れています。そしてどうも線香臭い感じもしてきました。

私はメチャメチャ怖くなり門を指差しながら隣にいた班員に、

「あの紫っぽい光はなんだろう?」
「線香の臭いがしない?」

というような話しをした記憶があります。

それに対して隣にいた班員は、

「紫の光というより門の上の方に紫の幕が張ってある」
「提灯じゃなくてタイマツっぽい」
「線香の臭いは無いけど、木魚の音ととお経の声みたいなのが聞こえる」

確か、そんな感じの答えが返ってきて余計に不安感で胸がいっぱいになりました。

「これはお通夜とか葬式をやってるんだ。きっとそうだ。」

二人してそう言い聞かせて通り過ぎました。通り過ぎても気持ちは不安と怖さでいっぱいだったようで、その後の夜間ハイク
の「ポスト」探しは全く覚えていません。ただ黙々と班員について行っただけです。

山道の中腹にゴール地点があり隊長が隊員全員の到着を待っていました。先に到着していた仲間たちは隊長に「ボウス」の件を報告して盛り上がっています。

その隙をみて「途中に変な門、無かった?」と数人に聞いてみたのですが「門は見たけど変じゃなかった」とか「門は気にならなかった」といった感じの答えしかありませんでした。

その後どれくらいの時間、ゴール地点にいたのでしょう。全員揃うのに1時間はかからなかったはずです。周囲と話が合わずどうにも釈然としない気持ちのまま全員で帰路につきます。

そしてまた、その門が見える位置に通りかかるともう気持ちはドキドキです。ドキドキしながらも「ほら。あれ!」と言おうとして唖然となりました。




門は真っ暗なんです。門灯すら無くシーンとした雰囲気で佇んでいます。

そんな短時間で片付くとは思えません。行きに一緒に確認した班員も「お通夜。終わっちゃったのかな?」といった感じの返事。さっきはあんなに明かりがあったのに変だ!と話しを続けたのですが、「そうだね」といった返事をするだけ。どうにも彼は寡黙になってしまい、もうこの話は終わってしまいました。

帰宅日までに数回その山道を通ったのですが、何も門に異常な雰囲気は感じられません。そのままもうその話しをすることなく帰宅の途に付き、その後のスカウト活動でも話題にはしたことはなく現在に至っております。

そして後年になって気づいたのですが、ひょっとしたらあの光のある門を見たのはと自分一人で、彼は話を合わせていただけなのか?と。

その彼とも連絡は取れず、「ボウズ」の声も本当は何だったのかわからず、今でも思い返す度に頭の中が「?」でいっぱいになります。

以上、夜間ハイクのときのよくわからない体験でした。

(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Pexels PIXABAY


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