30キロは離れた町にテレポーテーションしてしまった少年

投稿 匿名希望

30年も昔の話なんですが、今回はあまり人に話したことが無い私自身のちょっと不思議な体験を聞いていただきたくメールいたしました。

私の実家は栃木の片田舎です。高校の入学式の日でした。母も式に出席したので一緒に車で来ていました。午前の内に学校はお開きとなり、受け取った教科書類を車の後部座席に投げ入れる時には、すでに黒い雨雲が上空に立ち込めていました。

車を走らせて5分もしないうちに土砂降りとなり、すぐに前がよく見えないほど酷くなったので、開けた土地に建っている一軒のレストランを見つけその駐車場に車を入れました。「こんな所にいつの間にかこんな店が出来てたんだね」と、母が言いました。

家から高校までの通学路は田んぼだらけという立地に全くそぐわない洒落た雰囲気のレストランでした。当然そこでお昼を食べてから帰ろうということになり、傘を持っていなかったのでダッシュで店の中に駆け込みました。広々とした店内の内装が実に印象的で、座席としてブランコが高い天井から垂れていました。

黒Tシャツのユニホーム姿の店員さん達は若い人ばかりで感じも良く、ブランコ席でスパゲッティを食べながら、こんな素敵な店が通学路にあってホント良かったねと母と話したことをよく覚えています。




雨が小降りになるまでそこにいました。そしてその約一週間後、一緒に自転車通学していた友人とさっそくそのレストランに行こうとしたら無いんです。駐車場になっていた開けた土地すら見つからないのです。女子高生好きするメルヘンな雰囲気のレストランだったので、その後も諦めきれず何度も周辺をくまなく探してみましたが、店のあった形跡すら見つけられませんでした。

それから月日は流れ高3になったある日、クラスの友人達と輪になっておしゃべりしているとき、私はあの忽然と消えたレストランのことを皆に話しました。すると友人の一人が「そこ知ってる!M町に昔からあるよ」と……。

聞くと、店内のブランコ席とか店員のユニフォームとか、まさに私と母が訪れたそのレストランそのままでした。

ただ、M町は高校とは反対側のかなり遠い所にあり、そこに行くためには家も通り越して30キロ以上先へ行くことになります。あの日、高校を出発してから10分も経たないうちに入った店なのでM町へ行ったということはありえないし、そもそもM町という所へ行ったことすらないのです。




この体験は「きっと店がどこかに移動したんだよ」とか言われて、なかなか人に信じてもらえないような話です。でも、仮に店が短期間で潰れたとか、どこかに移動していたとしても、建物も駐車場も跡形もなくなっているということはまずあり得ません。

季節外れの夕立みたいな土砂降りの雨といい、あのレストランのどこか幻想的な雰囲気といい、なんだか夢を見ていたような感じです。ただ、今でも母はあのレストランは絶対高校の近くに存在したと言い張りますし、現にあの時レストランを出た後で、そのすぐ近くにあった、よく知っているスーパーで買い物した記憶もあります。

不思議話としてはとても地味なんですが、いまだに、あれは一体何だったんだろうと思います。私達がワープしたというよりは、M町のレストランがあの時だけワープして来た、という感じなのです。

(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集)

画像©Kammy27 PIXABAY


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