空飛ぶ髪の毛UMA「スカイヘアー」は実在するのか!?

                  イラスト©本田静丸

筆者は年末恒例のオカルト特番『ビートたけしの超常現象Xファイル』(テレビ朝日)に、この4年ほど出演させてもらっている。この番組ではUFO、超能力、心霊現象など多くのオカルト(超常現象)が取り上げられているが、筆者が担当するのは主にUMAのパートである。

そして、昨年末に放送された番組でもっとも反響が大きかったUMAが、空飛ぶ髪の毛『スカイヘアー』であった。

筆者がこれまでに関わってきたUFOやUMAなどを扱った番組は、「まずはオカルトの専門家にどんな情報を持っているのか相談して、そこから作っていく番組」と「番組側が扱いたい情報に対して、オカルトの専門家にコメントをもらう番組」があった。

『ビートたけしの超常現象Xファイル』は両方の要素がある番組で、筆者発信のUMA情報も紹介されたし、番組側が持ってきた映像や写真についてコメントを求められもした。

「スカイヘアー」はその後者であり、番組側に「この映像を観てコメントしてほしい」と頼まれたものだった。




その映像自体は、筆者も別の民放のオカルト番組で見たことがあった。その番組では「空飛ぶ蛸(タコ)」として紹介されていたはずである。確かにその飛行物体(撮影者によると2メートルほどの大きさに見えたということだ)は複数の長い触手を持っているようにも見え、空飛ぶ蛸と表現した気持ちもよく分かる。

ただ筆者がその映像を見て最初に連想したのは「飛頭蛮」という妖怪であった。飛頭蛮というのは中国に伝わる胴体から頭部だけが抜けて、空を飛ぶという妖怪である。蛸の触手に見えた部分は長い頭髪なのではないかと思ったのだ。

だが、物体が飛んでいる場所は、撮影者から距離もあることもあって、顔面のようなものがあるかどうかは判別できない。だったら、いっそのこと「髪の毛だけが飛んでいる」と考えたほうが良いのではないかと考えた。

実は筆者は過去に「部屋の中を動き回る髪の毛」や「川を泳ぐ髪の毛」を目撃した女性に取材をしたこともあり、髪の毛が生き物のように活動するという不思議な現象はあり得ると思っていたのだ。

こうして番組では「これは空飛ぶ髪の毛、スカイヘアーではないでしょうか」というコメントをすることに至ったのである。




何故、髪の毛だけが飛ぶようなことが起こり得るのか? その疑問についての解答は、カール・グスタフ・ユングという心理学者の唱えていた仮説で説明しようと考えた。

UFOの正体を巡る仮説としてよく語られているものの1つに、「人間の想像したものが実体として、現実世界に投影される」というユングの心理学を元にしたものがあるのだ。「人間の思いが、現実化する」という説については、100%ではないにせよ、自分もあり得ると以前から思っている。

というのも、UMAについて調べていると、明らかに生物として考えるには難しい存在が目撃されていたり(例えば2000年代以降も、傘化けの目撃などはある)、アニメや特撮などフィクションのキャラクターを目撃したという話も少なくないのだ。もちろん誤認もあるのだろうが、こういった現象をリアルに考えると、人の思いが実体化している可能性は考慮したくなる。

空飛ぶ髪の毛「スカイヘアー」の出現は、目撃された場所の周囲で頭髪に悩んでいる人が多かったことが原因ではないかと、筆者は番組でコメントした。

当初、番組の中で「スカイヘアー」の扱いはそれほど大きく割かれない予定だった。しかし、結果的にスカイヘアーを巡る議論は盛り上がり、放送でも尺は大きく扱われることになった。

この手の番組に出演する際は、自分はどうしても「超常現象を100%肯定する役割」として動くことが求めれがちだが、スカイヘアーが未確認生物ではない可能性についても少しは考えてはいた。その場合、あり得るのは何らかの気象現象……雲や煙がこのような形状になっている可能性は考えられるかもしれないと思っていた。

だが、否定派として出演していた航空ジャーナリストの坪田敦史氏から出された反論は私の考えていたものとはまったく違っていた。




それはスカイヘアーの正体は、タコというものであった。この場合のタコは蛸ではない、凧だ。いや、どちらも正しいと言っても良いのかもしれない。蛸の形状を模した、長い触手を持つ凧が実在されていた(商品として販売されていた)のであるから……。

同番組内で筆者が紹介した「茨城県牛久市で目撃されたプテラノドン」に関しては、筆者も翼竜型カイトの可能性も考慮していたのに、スカイヘアーに関しては凧説をまったく考慮していなかったことには反省させられた。

番組で紹介されたスカイヘアーの映像は凧である可能性が実際高いと思う。

しかしである。話はこれで終わらなかった。今年(2019年)に入ってからも、スカイヘアーの目撃は相次いでいる。その中には、凧では説明つかないものもわずかではあるが存在する。

例えば、「明らかに風の向きとは逆に飛んでいるスカイヘアーを見た」という証言。そして「スカイヘアーの姿が突然消失した」という目撃証言もあった。

もちろん、筆者がスカイヘアーの映像を見た時に凧説は思い付けなかったように、いろんな可能性は考えられるのかもしれない。だが、テレビ番組でスカイヘアーが紹介されたことで、多くの人がスカイヘアーのことを考えるようになり、今度こそ、人の思いがスカイヘアーを実体化させてしまった可能性もあるのかもしれない……。

寄稿:中沢健(作家・UMA研究家)


関連記事

最近の投稿

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

ページ上部へ戻る