
2019年7月19日より全国で公開となっている新海誠監督の新作映画『天気の子』。
先週末の土日2日間での動員は83万人、興収は11億8500万円というロケットスタートを切っている本作であるが、公開後、以下のような都市伝説がネットで広がっているという。
それは「2000年代、『天気の子』のパソコンゲームが存在していた」というものである。
聞くところによると、パソコンゲーム版の『天気の子』は今回の映画のストーリーそのものであり、恋愛を主軸にしたテーマとして、当初は大人向けのゲームとして発売。後にドリームキャストやプレイステーション2にも移植されてマニアックな人気を誇り、深夜にはテレビアニメも放送されていたという。
つまり新海監督の新作アニメ『天気の子』は元になったパソコンゲームを現代風にアレンジしリメイクしたものであるらしい……というのだ。
しかしながら、映画『天気の子』は、原作は勿論のこと、脚本さえも監督である新海氏が手がける完全オリジナルストーリーである。事実として、これまでパソコンゲーム、また移植したPS2ゲーム版や、さらには深夜アニメ版などこの世に存在しない。
では、なぜこのような都市伝説が生まれてしまったのか。
その理由というのが、本作がシンプルでかつトラディショナルなストーリーであることが一番の要因であるようなのだ。
つまり、キャラクターデザインが2000年代にパソコンゲームに馴染んでいたユーザーにとって、「昔、こんなのあったよなぁ」みたいな懐古的なものを感じさせてくれるからだという。実際に、あるネットユーザーが「俺はパソコンゲームで『天気の子』をプレイしたことがある」というネタ記事を投稿をしたことで、今の30代から40代のパソゲー世代が追随し、集団催眠(実在しないものを実在したかのように錯覚すること。都市伝説界ではファンタゴールデンアップル味に纏わる逸話が有名)のような症状を訴え始め、このことから多くの人が同じような錯覚をしたのではないかと考えられている。
再度言わせていただくが、『天気の子』のパソコンゲームなどは実在しない。しかし、ある世代にとってはそれだけノスタルジーを感じてしまうような世界観の映画であり、さらに万人からも受け入れやすい素晴らしいストーリーということなのであろう。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)