昔の人が自然現象から想像した代表的な妖怪「幽谷響」





山頂で「ヤッホー」と大声で言うと「ヤッホー」と返ってくる、人の声の反響である「やまびこ」を妖怪として見たものが『幽谷響』だ。

鳥山石燕は『絵図百鬼夜行』にて、山頂の岩にちょこんと腰掛ける、大きな耳が目立つ小さな獣のような妖怪として著している。やまびこの仕組みが解っていなかった昔は、こういった自然現象も妖怪の仕業として見られていたのだ。




同様の妖怪は多く、『幽谷響』とほぼ同じ性質をもつ『呼子』と言う妖怪が鳥取県では報告されている。一方で茨城県ではやまびこは『天邪鬼』の仕業であると見なされていたようだ。

また、高知県では山中で突然聞こえる恐ろしい声のことを『ヤマヒコ』と呼んでいた。山に出る妖怪は人間に一声だけ声をかけて悪さをなすとされ、岐阜県などでは山中で誰かに声をかける時は必ず二言言葉を続けるように、との決まりもあった。

姿形のない『声』は妖怪になりやすいのかもしれない。

(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像© 左:ウィキペディア 佐脇嵩之『百怪図巻』より「山びこ」 右:鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「幽谷響(やまびこ)」





関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る