持ち主に富をもたらす日本古来の使い魔「管狐」





陰陽道に式神というと、昨今の漫画やゲームを始めとするフィクションの影響もあり、陰陽師が意のままに操るちょっとした使い魔のようなものを想像するかもしれない。だが、実際の式神や伝承に残る使い魔の数々は、いずれも一筋縄ではいかず、ともすれば術者に害をなす扱いにくい化け物たちである。

日本に伝わる使い魔といえば、例えば「管狐(くだぎつね)」がいる。

「管」の通り竹筒などの小さな入れ物に入れられるほどの大きさしかなく、別名を飯綱、飯縄権現ともいい、主人の命じるままに動くとされている。この管狐は様々な情報や品物を主人の望むままにもたらすため、管狐を使う者もまた通力を得て富み栄えるとされていた。




しかし、その富は管狐が別の家の者から盗みとってきたものであるし、また管狐を使うものは自分の憎む相手に管狐を飛ばして病気にさせたり、狐憑きのような症状にさせたりするとも言われていた。そのため、管狐を使うとされる家の者は「くだもち」「クダ屋」「飯綱使い」など、様々な蔑称で呼ばれて忌み嫌われていたという。

それでも管狐を使う家には得が多いように思われるが、実は管狐は際限なく富を求めるため、どれだけ主人が富み栄えてもやがて食いつぶされて破産してしまうともされていた。

呪術を戒める言葉として、「人を呪わば穴二つ」という言葉がある。管狐もまた、人間が手を出すべきではない外法の一つだったのかもしれない。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©ウィキペディア 松浦静山『甲子夜話』より「くだ狐」より




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