山口敏太郎が薦めるUMA関連書籍【第二回】『本当にいる世界の未知生物(UMA)案内』





同書は未確認生物研究家の天野ミチヒロ氏の代表作と言っても過言ない名著だ。天野氏の数十年に及ぶ未確認生物研究の成果が反映されている一冊である。

全ページに未確認生物に対する愛情があふれており、嬉々として執筆する著者の姿が目に浮かぶようだ。とにかくデータの量が多く、世界中の未確認生物が網羅されている。同業者の私ですらここまで書くかと思うぐらいのボリュームであり、未確認生物の名称が数百種類出てくる。

生物学的に信憑性のある未確認生物から、「透明な怪物」「人間よりはるかに多いい巨大ペンギン」などどう考えても非現実的な怪物まで未確認生物と報じられた事件なら悉く掲載しており、作者の度量の広さに驚かされる。




特に脚色が入り過ぎている児童書や子供向け雑誌の記事に一度掲載しただけの未確認生物さえも、情報として収集し、図鑑に掲載したことは評価に値する。そのような遊び心を見せながらも、眉唾な未確認生物情報には冷めたツッコミを入れており、妄信的でないところは素晴らしい。懐疑的精神も持ち合わせている。

また、図鑑というだけあって各未確認生物のページにイラストがついているのだが、このイラストからも著者のこだわりが伺える。どのイラストも昭和テイストのデザインであり、かつての少年マガジンや少年サンデー誌上で読んだ”世界の怪獣記事””世界の秘境記事”的な世界観が醸し出されている。我々のような中高年を嬉しくさせる粋な演出ではないか。




私は天野氏とも親交があるが、UMAに対する真摯な姿勢は見習いたい。未確認生物の研究にお金を使い過ぎてホームレスになったり、万が一未確認生物に食われて死んで本望であると語ったり、なかなかの豪傑である。一歩間違えると天野氏自身が未確認生物になりかねない。そのあたりが清貧の中で亡くなってしまう昭和初期の文化人のようで友人として心配だ。

どちらにしろ本書は世界中の未確認生物が地域ごとに、分かり易く分類され掲載されており、未確認生物の入門書としては、最適の一冊である。また各項目にもマニア泣かせの情報も意図的に書き込まれており、通にもお薦めである。

惜しむらくは、紙幅の関係もあってか未確認生物一種類あたりの説明が短いという点である。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像『本当にいる世界の「未知生物」(UMA)案内

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